ストレスに強い人が実践する毎朝1分の習慣 スタンフォード大の学生たちもやっている

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――ただ、多くの人が長年「ストレスは心身に悪い」と信じてきているだけに、マクゴニガル先生の提唱に対する批判もあるのでは。

Kelly McGonigal(ケリー・マクゴニガル)/米ボストン大学で心理学とコミュニケーションを学んだ後、スタンフォード大学で博士号(健康心理学)を取得。2012年刊の『スタンフォードの自分を変える教室』は、日本でも60万部超の大ヒットに。

確かにマインドセットなんてまやかしだと思っている人もいるが、そういう人はすでに「ストレスは心身に悪い」との概念を信じているわけだ。つまり、特定のことに対する感じ方や考え方が、心や体に影響を及ぼすことを自ら実証しているのと同じ。マインドセットに懐疑的な人は、かつての私のように、自分の人生がいかに不幸で不健康であるかを信じ込まされ、悪の根源であるストレスを減らさないことには人生が好転しない、と考えているような人だ。

多くの人が「人生をちゃんと生きれば、ストレスフリーの夢のような世界に住むことができる」という幻想をなぜか抱いている。確かにこれは本当に誘惑的な発想で、この考えを捨て去るのは容易ではない。

スタンフォードで支持を得るトレーニング法

――著書の中では、たとえば「信頼」や「自由」など、自分にとって大事な価値観を書き出して時間をかけてその理由を考える、といったトレーニングが書いてありますが、ご自身が実践しているのは。

私は毎朝、目が覚めてすぐ、ベッドから出る前に、自分にとって大事な価値観は何か考えるようにしている。そうすることで、自分のマインドがきょうの現実に向かう準備ができるようにする。

重要な価値観を確認するのは、最も簡単かつ有効なエクササイズだ。私はスタンフォードの学生たちにも、「大切な価値観を忘れずに」と書いたブレスレットを渡しており、学生たちからも効果的だと大きな反響がある。

ストレスについて誰かと話し合うことも有効だ。これは本でも授業でも強調していることだが、自分が今対峙しているチャレンジや、それをどうやって乗り越えようとしているかを他人と共有するのは、マインドセット介入の一つだ。私自身は、信頼のおける同僚たち数人と静かな場所で、互いのチャレンジについて話す時間を設けている。

もう一つは、ストレスを受けたときに起こる「思いやり・絆」反応を利用して、人を助けてみることだ。たとえば、ものすごく忙しい日にストレスを感じて、誰も自分を助けてくれる人がいない、と感じたときに逆に人を助ける。とても陳腐なことを言っていると思うかも知れないが、これで脳のスイッチが切り替わる。

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