「日本モデル」でアジアを攻める--伊藤忠テクノソリューションズ社長・菊地哲

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「日本モデル」でアジアを攻める--伊藤忠テクノソリューションズ社長・菊地哲

情報システムの企画、開発から運用・保守まで手掛けるシステムインテグレーターの伊藤忠テクノソリューションズ。ITサービス業界は近年、企業の設備投資抑制で低迷していたが、ここへきて通信キャリア向けのシステム開発特需に沸いている。同社も通信キャリアから大型案件を獲得。2013年3月期は最高純益を更新する見通しだ。

こうした中、海外経験を買われて新社長に就任した菊地哲氏。IT業界での経験がほぼ皆無の商社マンはどんな成長戦略を描いているのか。

──IT業界は初めてです。

ITについては勉強中だが、技術では新入社員にすら負ける。しかしIT技術に弱くてもできることはある。特に、社長やマネジメント職は、失敗の芽を早く摘むことが大事だ。私の経験からすれば10回挑戦すると3回は失敗する。投資するときは6勝4敗でOKだ。ただし失敗したときに、即時撤退を上司が決断することが条件。システム開発は失敗が付きものだ。失敗を長引かせると、顧客との関係に影響してしまう。早く処理すれば、健全な事業の比率が増えて利益も自然とついてくる。

──現在、国内事業は通信キャリア向けのシステム開発が好調ですが、中長期にはどう成長を維持していくのですか。

確かに今は、増大する通信量に対応するため、通信会社はシステム増強に積極的だ。当社でも通信業界の担当社員が不足し、ほかの人材をシフトして対応している。

このほか、クラウドを導入する企業も増えているが、こちらは儲からないのが現状。クラウドは顧客企業の導入費用が低い一方で、コストのかかる設備や運用などをIT企業が引き受けることになるからだ。こうした中、将来的に当社が一段と国内事業を伸ばすには、M&Aなどが必要になるだろう。

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