「日本モデル」でアジアを攻める--伊藤忠テクノソリューションズ社長・菊地哲

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──とはいえ、国内だけでは成長に限りもあります。

私は伊藤忠商事入社以来、エネルギー分野で石油を担当してきた。ロンドンに6年、オマーンのマスカットに4年駐在した以外にも、海外出張を多く経験している。旧ソ連の原油を売っていたときは、ルーマニア革命の銃声が響く現地事務所で取引先と交渉を続けたこともある。

システムインテグレーターは(企業内に専門部署のある欧米と異なり)、日本だけでしか通用しないガラパゴス産業だといわれる。が、IT未開拓の地、ASEAN諸国では日本モデルが生かせるのではないか。

日本企業の多くがタイなどのASEAN諸国に工場を持つ。そういった企業から、海外のシステムも任せたいと声がかかっている。現地企業を買収したり、パートナー契約を結んだりすることになるだろう。そこで私自身や伊藤忠の人脈が活用できる。

──新しい分野での取り組みは。

たとえば、エネルギー分野では風力や太陽光など自然エネルギーによる発電をITでコントロールするスマートコミュニティなどの取り組みが始まっている。人類の課題を克服していくうえでITは必須。そういった挑戦の一翼を当社も担いたい。

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(聞き手・本誌:島田知穂 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年8月11-18日合併特大号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

きくち・さとし
1952年生まれ。東京大学法学部卒業後、伊藤忠商事に入社しエネルギー総括部に配属される。英国、オマーンの駐在を経て、06年業務部長、08年常務取締役、09年からは生活資材・化学品カンパニーのプレジデントを務める。12年6月より現職。
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