「残念な中学受験塾」を見抜く7つのポイント あえて中小塾を選ぶならここに気をつけよ

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5 「職人気取り」はダメ

大手塾の名物講師にありがちな職人気質は、中小塾においては両刃の剣となる。一般に、中学受験講師には職人的なこだわりが必要だが、臨機応変さや柔軟さが、大手塾に対する中小塾の魅力であるはずだからだ。寿司職人にしても大工にしても、いい職人は、しっかりとした技とこだわりを持ちながら、状況に合わせた臨機応変なシゴトができるもの。それが本当の職人気質。自分のやり方にこだわり柔軟性に欠けるのでは、本当の職人とはいえない。「職人気質」はいいけれど、「職人気取り」はダメということだ。

6 拡大路線を打ち出しすぎはダメ

営利企業としての側面を優先するのであれば、拡大路線は当然の戦略。しかし教育機関としては、拡大すればするほど、教育の質を担保しにくくなるという矛盾が生じる。中小塾であってもやたらに拡大路線を狙う塾は要注意だ。「あの塾、定員が一杯になったから、近くにもう1つ校舎をオープンするらしいよ」という評判は、企業としては良い評判だが、教育機関としては必ずしもいいこととは限らない。そのような塾を選ぶことは、まるで「小さな大手塾」を選ぶようなもの。だったら普通に大手塾に通えばいいだけの話である。

7 塾長が人間として幼い

塾長とどれだけ意思疎通ができるか、塾長をどれだけ信頼できるか、この塾長はわが子にとって手本になる人物か、この塾長にまかせてダメならしょうがないとまで思えるか。極論すれば、そこを見極めるのが、中小塾を選ぶ際の親の責任だといえる。できたばかりの中小塾に子供を通わせていたものの、その指導や保護者対応姿勢に疑問を持ち、転塾すべきか否か悩んでいたある保護者は、その塾長が家庭訪問に来たときに玄関で靴をそろえていなかったことに気づき、転塾を決意したという。正しい判断だと思う。

塾を選ぶということは、その学習サイクルを子供の生活サイクルとして取り入れるということ。しっかり自分の軸を持ち、「塾ありき」ではなく「わが子ありき」の中学受験塾選びをしてほしい。

おおたとしまさ 教育ジャーナリスト

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Toshimasa Ota

「子どもが“パパ〜!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する」と株式会社リクルートを脱サラ。育児・教育をテーマに執筆・講演活動を行う。著書は『名門校とは何か?』『ルポ 塾歴社会』など80冊以上。著書一覧はこちら

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