コボのネガティブな口コミは消す 楽天・三木谷浩史会長兼社長に聞く
――三木谷社長自身が口コミを見て、閉鎖を決断したと言うことか。
そうだ。アイフォーンでもアンドロイドでもそうだが、1万台に1台しか出ない不具合がたくさん出ていると、あたかもすべてがそうだという風になってしまう。
不具合はゼロならゼロがいいが、エンドユーザーに正確に理解してもらうことがわれわれのミッション。代わりにコボからのお知らせや、コボニュースという自らの情報発信も始めている。
――とはいえ、口コミサイトのコボの画面は「アクセスが集中していて、一時的に見れない」という表示になっていた。機能の問題は解消したので、正確な情報はこちらで見て欲しい、口コミは誤った情報が含まれているので一時的に閉鎖している、と表示すべきではなかったのか。
そういうテクニカルな反省材料はあるかもしれない。ただ、90%以上の人がアクティベーションが終わっているわけだから、その問題は置いておいて、より使い勝手のいいように改善していく。
――コボの特設サイトには、「お客様の声」として、コボを賞賛するコメントが載っている。公式情報以外の口コミサイトを閉鎖するなら、こちらも同時に見れなくするべきではないか。
見てないので、わからない。繰り返しになるが、大体のネガティブなコメントというのは、ほぼ全て初期設定の問題であり、それについては対応済みだ。初期設定以外のクレームはほぼない。
――口コミサイトは近日再び見れるようになるのか。
どういう形で再開すればいいか検討している。今までの楽天市場に出店してもらっている店舗のサイトとは違い、コボは楽天自身の商品の直販サイトに近いから、ある程度口コミを吟味して再度出すという可能性もある。
150万点の到達も十分可能
――コンテンツの量についてだが、当初サービス開始時に3万点そろえるはずだったが、19日では約2万点、無料でそもそも一般公開されている青空文庫のものが1万点を占めている。なぜこのような状況なのか。
出版社との契約自体は終わっているが、出版社にチェックしてもらう作業が終わっていない。待ちがあるという状況だ。7月中には3万点をそろえられるし、8月末には6万点、今年末に20万点までいく。
当面のペースとしては、1日1000点ずつ増やす。コンテンツもマンガに限らず、テキストのものを増やしていく。
出版物の電子化作業を支援するため産業革新機構が150億円出資した「出版デジタル機構」の取り組み状況にもよるが、2年以内に150万点に到達出来ると見ている。150万点あれば、全然違う世界になる。
――7月19日のタイミングが早すぎたということはなかったのか。非常に急いでいる印象があるが、なぜこのタイミングになったのか。
今回は夏休みの前にやりたかった。タイミングの理由については、それだけだ。本当は夏のボーナス商戦に間に合わせたかったが、それに間に合わせられなかったのが、正直なところ。
なぜ夏休み前にやりたかったかというと、電子書籍の専用端末は旅行に最も適しているからだ。タブレットと違い、外でも読めるし、電池が切れないという特徴もある。
――アマゾンのキンドルが日本に上陸する前にやりたいという思いもあったのでは。
彼らがいつキンドルを日本で出すかはわからないし、気にしてもしょうがない。みなさん対アマゾン、対アマゾンというけれども、われわれがまったく意識してないということはないが、そんなこと気にしてやってられない。いいものを作って、いい品ぞろえをして、エンドユーザーに喜んでもらうということを愚直にやっていくしかない。
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