イスラム国は「間違った外交」から始まった 世界史から見ればニュースがわかる
世界に衝撃を与えたパリのテロ事件から約1カ月。世界中に飛び火するテロの連鎖は、やむ気配がありません。世界大戦の予兆なのか。日本でテロが起きる日がくるのか――。連日、報じられる世界情勢のニュースは、新聞やTVを追うだけでは理解しきれないもの。
そこで予備校の人気講師が、「世界史」から国際ニュースを解説します。まずは、複雑なシリア情勢の「歴史的背景」と、イスラム国(IS)勃興の「なぜ?」に答えます。
ISはいったい、何と戦っているのか?
イスラムの過激派武装組織、IS(イスラム国)が、中東のイラクとシリアの国境付近を中心として、両国の相当部分を武力制圧し、新国家の樹立を宣言して以来、日本でもIS関連のニュースが大きく取り上げられました。
2015年1月、人質となっていた会社経営者の湯川遥菜さんとジャーナリストの後藤健二さんが相次いで殺害されたという痛ましいニュースは、日本中に衝撃を与えました。
残虐な犯罪行為に手を染めながら勢力を拡大するISに対して、国際社会も包囲網の強化に動きます。アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリアなどの有志国連合に続いて、ロシアも空爆を行いました。
では、今回のISをめぐる戦いは、イスラム過激派vs.欧米諸国(おもにアメリカ)という構図なのでしょうか。
ISは、たしかに欧米諸国の国民を敵と見なして、攻撃対象としています。しかし、単純に「イスラム過激派vs.欧米諸国の戦い」とくくれるほど、問題は単純ではありません。そもそも、ISの狙いは何なのでしょうか?
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