不要PCに金脈探る「宅配リサイクル」の正体 あなたの家にもレアメタルが眠っている
今年も残すところ20日余り。年末に備えて大掃除に取り掛かる家庭は少なくないだろう。普段はなかなかキレイにできない箇所に手をつけるのもそうだが、不用品の処分も大掃除の一環だ。
一方、家庭内不用品のうち悩ましいのが、古いパソコンやスマートフォンを含む携帯電話といった記憶媒体付きの電子機器のほか、法律(家電リサイクル法)でリサイクル処理が明確に義務づけられ、ルートも確立している冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機・衣類乾燥機という「4品目の大型家電」以外の家電だ。
パソコンや携帯のリサイクルが進まない理由
パソコンや携帯電話の場合、新しい製品に買い替えてはみたものの、販売業者が下取りを実施していないと、記憶されている個人情報を含む私的なデータが、万が一悪用されるのを想定して処分に困るケースがある。それ以外で4品目の大型家電に当てはまらない家電については原則、粗大ごみと位置づけられるため、コンビニなどでリサイクル券を買って自治体に処分を申し込んだうえで、指定された日時にきっかりと出さなければ回収してもらえないという煩わしさなどがある。
実はこれらの製品は「小型家電」として約400品目が位置づけられ、そのリサイクルの促進を目的とした「小型家電リサイクル法」という法律が約2年半前の2013年4月から施行されている。ところが、「家電リサイクル法と違って認知度が低く、まだ小型家電のリサイクルはあまり進んでいない」と、東北大学多元物質科学研究所の中村崇教授は指摘する。
中村教授によると、日本国内における小型家電リサイクルの回収量について、「回収が進まないのは、そもそも法律の認知度が低いこと、3県以上にまたがる広域でしか小型家電リサイクル業者が認定されないことによって、収集のコストに対して業者が得られる収益のうまみが小さいことなどが要因」という。
そんな遅々として進まない小型家電リサイクル市場において、「宅配リサイクル」と呼ぶユニークなビジネスモデルで風穴を開けようと挑んでいる企業がある。愛知県大府市に本社を置くリネットジャパングループだ。
ネットで中古の本やDVD、CD、ゲームソフトなどの宅配買い取りや、ネットの中古書店を手掛けるベンチャーで2000年創業の「ネットオフ」が2014年に社名変更した会社である。