東北の大学ではマスコミに就職できないのか 就職を意識した高校生のための進路相談<3>

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残るは山形大。人文学部の定員は300人。福島大よりやや少ないです。山形大がいいのは、基盤教育科目にマスコミ志望者向きの濃い科目がやたらと揃っていることです。メディア関連科目だと、「日本社会を生きる 映画からみた近代日本の人間像」「ビッグデータをどう分析するか」「新聞で山形を知る」「文学・芸術に描かれた山形」など。ほか、フィールドワークも充実しています。

科目のテーマ設定も文系・理系ともにかなり現代的、と言いますか、いいところをうまく突いています。

同じ山形市内にある東北芸術工科大デザイン工学部の科目「広告ビジネス基礎」「コピーライティング」「映像文化史」などを単位互換(大学コンソーシアムやまがた・ゆうキャンパスやまがた単位互換)で受講できるのもプラス材料です。

いちばんのお勧めは山形大 

というわけで、候補として挙げられた5大学の中では山形大が1番、弘前、岩手、福島を2番手グループとしてお勧めします。

あなたが挙げた大学以外だと、宮城教育大もアナウンサーなどを輩出しています。宮城教育大に限らず、教育大や地方国立大教育系学部は、隠れたマスコミ人材供給源です。真面目に勉強していますし、朴訥(ぼくとつ)とした学生像が受けることもあります。

あとは、きちんと勉強して、本や新聞、雑誌をしっかりと読んで大学生活を送って下さい。そうすれば「東北の国立大が有利だ、不利だ」などという雑音に、惑わされることはなくなるでしょう。

石渡 嶺司 ライター・大学ジャーナリスト

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いしわたり れいじ

1975年札幌生まれ。東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。大学選び、就職活動をテーマにした執筆活動に定評がある。2008年から高校生向け進路ガイド『時間と学費をムダにしない大学選び』(中央公論新社、共著)を毎年刊行。
主な著書に『就活のコノヤロー』(光文社新書)、『就活のバカヤロー』『アホ大学のバカ学生』(光文社新書、共著)、『教員採用のカラクリ』(中公ラクレ、共著)など。2015年は『300円就活準備編』、『300円就活面接編』(角川書店オリジナル電子書籍)、『時間と学費をムダにしない大学選び2016』(中央公論新社、共著)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか」(朝日新書)を刊行。JCAST、毎日新聞大阪版、北海道新聞などで連載中。
 

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