ただ、東北でもそれ以外でも、地方国立大が大手マスコミ就職において、不利であることは知っておいてください。不利な理由は簡単です。学生の多数派が教員または公務員志望であり、民間企業志望者もその多くは地元志向です。
地方国立大生で、在京志向かつ大手マスコミ志望者はそれほど多くありません。しかも、大手マスコミを突破できる学生がいたとしても(少数ながらいる、と石渡は考えます)、そういう学生は親の志向などもあっても、地元の公務員ないし地元のマスコミなどに就職する。これが実態です。
秋田大は志望校から外れる
しかし、大手マスコミといえども、全国区の企業ですから多様性を出すため、地方大生をどうにか採用したいと考えているのは事実です。結果的に採用がうまく行っていない点をもって、「地方国立大から大手マスコミに就職できない」と書くのはやや乱暴に見えます。
さて、ご質問の件に戻ると、ポイントは「県外の大手マスコミを希望する学生が多いか少ないか」「マスコミに近い科目の有無」の2点です。
まず、候補から消えるのは秋田大でしょう。文系学部は教育文化学部のみ。教員と公務員希望者が多数を占めています。民間企業希望者が東北大以外の5大学では一番少なさそうです。
残り4大学のうち、弘前大と岩手大はメディア関連の教員が在籍していて関連科目もあります。福島大は幅広く学べて、社会学系統の科目もあります。
弘前大、岩手大の両校には教育学部以外の文系学部が1学部あります。弘前大は人文学部を2016年に人文社会科学部へ改組します。岩手大は2016年に人文社会科学部4課程を2課程に改組します。学部名は変えません。
福島大には人文社会学群のみあります。改組の影響で、岩手大(200人)と弘前大(265人)は、福島大435人(行政政策学類と経済経営学類の合計。人間発達学類と夜間主コースを除く)に比べてやや小規模となりました。マスコミへの就職を考えると、東京に近い福島大がやや有利でしょうか。
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