2016年版(2015年刊行)は、大学一口情報についても、私が一部、または相当部分に手を入れました。特に1章(マスコミ)は前年版と大きく変わっています。
東北の国立大から、在京・在阪の大手マスコミへの就職実績があるかどうか。はっきり言って、在京・在阪の難関大のような実績はありません。ですから、「大手マスコミは無理」との記述が間違っていたかといえば、大外れというわけではないのです。
ただし、私は長年の就活取材から「就活ちょい足しで1ランクアップ説」を確信しています。ちょっと努力をすれば、偏差値で1ランク上の大学と同等の就職が可能だと考えます。2ランクアップだと、相当な努力に加えて、大きなセールスポイントがないとしんどいかもしれませんが、1ランクアップはちょっと1歩前に踏み出すだけで可能です。
大手マスコミへの就職の場合、東北の国立大でも1ランク上の大学、すなわち、MARCHクラスや埼玉・千葉・横浜国立大などとは結構いい勝負となります。
過去の実績だけを見ていてもダメ
私のかつての共著者や一部の高校教員などは「過去の就職実績こそがすべて」と考えます。確かにそうした考えにも一理あります。しかし、だからと言って、「過去の就職実績を見れば、自分がどこに就職できるかわかる。そして、そこにない企業には就職できない」とまで言い切るのは、現在の学生を相当バカにした話、と私は考えます。
では、大手マスコミに就職できるようにするための「ちょい足し」とは何か。何も難しい話ではありません。地元新聞と日本経済新聞と全国紙1紙を、毎日、見出しだけでもいいから読むこと。『週刊東洋経済』と『週刊ダイヤモンド』を毎週読むこと。書籍は新書も含めて最低月10冊は読むこと。
新聞や雑誌、本はマスコミを目指す人の基本でしょう。それができないのにマスコミを志望する学生が多すぎます。そんな学生は、地方国立だろうが、一橋だろうが東大だろうが、落ちますよ。
逆に言えば、こうしたことができていれば、地方国立大でも十分チャンスはあると思います。実際に、地方国立から大手マスコミに就職した事例はいくらでもあります。それを、「地方の国立大はマスコミ就職に弱い」と切って捨てるのは、就活事情を知らずに過去データを見ているだけに過ぎません。
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