(第54回)残酷なほど明白な日米取引所の実力差

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ニューヨーク証券取引所(NYSE)には、中国石油天然気(ペトロチャイナ)、中国移動(チャイナ・モバイル)を始めとして、中国を代表する企業が多数上場している。両社の時価総額はいずれも2000億ドル(16兆円)を超える。トヨタ自動車の時価総額が約10兆円だから、それより大きい。

台湾、香港企業を含めた「グレイター・チャイナ」という分類では、NYSEの上場企業総数は、現在70だ。日本企業が18であるのと比べると、遥かに多い。時価総額合計は、2009年5月時点で約1兆ドルだった。この時点でNYSEに上場する外国企業数は490、時価総額は7・1兆ドルだったので、その約7分の1ということになる。いまやNYSEにおいて、中国企業は一大勢力だ。NYSEは、唯一の外国語ウェブサイトとして中国語版を設けている。

中国企業から見れば、NYSEでの上場には、いくつもの利点がある。第一は、もちろん資金調達だ。

それだけではない。NYSEの厳しい審査をクリアしての上場は、世界的な基準に照らして一流企業であるとの評価を得たことを意味する。中国企業は急成長したため、知名度がない。特に消費者に直接接することのない企業の場合にそうだ。だから、NYSEのお墨付きを得られることは、グローバル事業展開にあたって大きな意味を持つだろう。

中国国内の資本市場は、国有企業の存在や為替管理のため、歪んでいる。他方、民間企業の資金需要は大きい。海外での上場は本土より容易な場合が多いので、それによって民間企業の世界化が実現し、ひいては中国の民主化に資することになる。

中国政府も中国企業の海外上場を積極的に進める方針だ。中国証券監督管理委員会(CSRC)の姚剛副委員長は最近、「年内に海外市場への上場規則を改正し、手続きの簡素化と基準緩和を進める。それにより、中小規模の企業や非公開企業が海外で上場しやすくなる」と述べた。

日本市場のおそまつな審査が見透かされる

これに対して、日本市場への中国企業の上場状況はどうか?

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