2番目は34位の神戸女学院大で58位の同志社女子大が続く。両校ともに三井住友銀行が就職者数トップ。住友銀行の本店が大阪だったことと無関係ではないだろう。他の就職者数上位企業に銀行や生保、証券といった金融機関が名を連ねるのは他の有名女子大と同様だが、薬学部を持つ同志社女子大は、阪神調剤薬局が就職先の上位に入っている。
東西の有名女子大以外にも、銀行を中心とした金融機関への就職者が大学全体の就職力を牽引している女子大は多い。その要因の一つは短期大学の減少だ。近年、教育・研究環境の充実などを目指し、4年制大学化する短期大学が増えてきた。
かつての銀行の一般職は、短期大学からの採用が多かったが、短期大学の減少により4年制大学にシフトしているのだ。さらに、銀行の業態が変わった影響もある。特定職や一般職といった女性比率が高い職種が増え、結果として銀行の採用意欲が高まっていることが、女子大が銀行に強い要因となっている。
みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行の3大メガバンクへの就職状況を見ると、卒業生に対する占有率では東西の御三家をしのぐ女子大もある。
3大メガバンクの就職者が卒業生に占める割合を見ると、最も高いのは実就職ランキングで24位の学習院女子大。占有率は11・3%で、卒業生の10人に1人が就職している計算になる。卒業生に占める割合が2番目に高いのは、西の御三家の一つ、神戸女学院大で8・4%、3番目は実就職率ランキングで43位の白百合女子大で6・9%だった
女子大の競争率が低下傾向に
航空会社に強い女子大も多く、日本航空と全日本空輸の合計就職者数が卒業生に占める割合は、聖心女子大3・4%、学習院女子大2・6%、白百合女子大2・4%、東洋英和女学院大2%となっている。
女子大は就職率や就職先が充実している割に、入試のハードルが低いケースが多い。たとえば、青山学院大と日本女子大を比較すると、就職率は前者の88・2%に対して後者が91・5%と高いにも関わらず、今春の競争率(受験者数÷合格者数)は、青山学院大の5・5倍に対し、日本女子大は2・3倍と半分以下だった。
女子大に競争率が低い大学が多いのは、医療系や理工系を目指す“リケ女”の増加に代表されるように、女子受験生の進学先が多様化しているためだ。
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