ベイスターズが「ハマスタ買収」に込める意志

負の循環を絶ち、横浜と野球の関係は変わる

ハマスタの愛称で親しまれている横浜スタジアム(hamazou / PIXTA)

プロ野球球団・横浜DeNAベイスターズが、横浜スタジアムの子会社化を目指した株式公開買い付け(TOB)に乗り出した。過半の取得を目指し、2016年1月20日までに普通株1株を1500円で買い付ける。友好的買収という位置づけだ。

これは今シーズン、前半戦首位から後半戦最下位という球界始まって以来の転落劇に沈んだDeNAベイスターズにとって、シーズンで鬱積したモヤモヤのすべてを挽回して余りある大ファインプレー……といっても過言ではないほどの大ニュースであるといえるだろう。

友好的。重ねてきた歴史を思えば、なんてすてきな響きだろうか。

前代未聞の下方安定

そもそも、このベイスターズは前親会社のTBS時代から10年で8回の最下位という前代未聞の下方安定した成績だけでなく、経営面でも「全試合満員になっても黒字にはならない」という何かの冗談か罰ゲームのような、解消しようのない莫大な赤字を延々と垂れ流し続けていた。その負の永久機関の根本には、「ペリー以来の不平等条約」とも揶揄された横浜スタジアムとの契約問題が大きな影響を与えていたといわれている。

横浜スタジアムの運営を担ってきたのは、球団とは別の「株式会社横浜スタジアム」。横浜スタジアムを建てた後、横浜公園が国の土地の上にあるため、すぐに横浜市へ横浜スタジアムを寄付し、その反対寄付として横浜スタジアムの運営管理権を取得した民間株式会社である。

前親会社時代の契約ではスタジアムの管理保全を条件に、入場料収入の25%を球場へ支払い、さらには球場内における看板広告収入や、売店における飲食・グッズの販売収入のすべてを球場に取られていた。その影響で横浜スタジアムは、球団側からすれば「使用料ばかり高く、入場料も12球団イチ高いのに、サービスの質も悪い」。球場側としても「おいおい、客の入らない、経営もやる気のない万年最下位チームが商品じゃどうにもならないよ」……という、お互いにどうしようもないルーズルーズの関係であり、負のスパイラルに陥っていたように見える。

そんな横浜スタジアムではあるが、幸か不幸か、球場自体は関内という横浜の中心地で駅から横断歩道を渡るだけという場所にあり、近隣には中華街やみなとみらい地区など、立地的にも申し分のない土地。ベイスターズだけでなく、神奈川高校野球の聖地として、横浜市民、神奈川県民に特別な思い入れを持って愛されてきていた。

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