プロ野球の「トライアウト」にモノ申す!

漫画『グラゼニ』作者と元選手が語る内情

今年も多くの選手がプロ野球界を去った。「戦力外通告」のわずか一言で、一瞬にして職を失う。そんな選手たちの野球人生最後の時をドキュメンタリーで描いてきたTBSテレビ「プロ野球戦力外通告~クビを宣告された男たちが、今夜(12月30日)22時から通算11回目の放送を迎える。
本編に収まりきらなかったサイドストーリーを2回(「GG佐藤、4度のクビを味わった男の再出発」「24歳でプロ野球をクビになった男が見た真実」)に渡ってお届けしてきたが、最終回となる。
本編の放送に先駆けて12月22日、都内でTBSとニコニコ生放送、講談社のコラボレーションによるネット配信番組「プロ野球戦力外通告×グラゼニ」の座談会が行われた。コメンテーターはプロ野球を題材にした講談社の人気漫画「グラゼニ」(『週刊モーニング』で連載)原作者の森高夕次氏、元プロ野球横浜DeNAベイスターズ内野手で自身も2012年にトライアウトに出場した経験を持つスポーツライター高森勇旗氏、「週刊野球太郎」のスポーツライター・オグマナオト氏の3人。司会は番組を制作したTBSの菊野浩樹・番組企画プロデューサーと村口太郎・スポーツ局プロデューサーが務めた。
戦力外通告を受けた選手たちが、最後の、しかもかすかな望みをかけて挑む「トライアウト」。今年も11月9日に第1回、11月20日に第2回が行われたが、番組ではこのトライアウトをめぐる激論が繰り広げられた。その内容をお伝えしよう。(文:スポーツライター 赤坂 厚)

この話題の口火を切ったのが、自身もトライアウトの取材に行き、肌で雰囲気を味わってきた森高氏だった。

ホームランを打ってもダメ

森高(以下敬称略) まずどうしてここにいるのか、という選手が多数いる。なんでっていうのが多かったのがベイスターズ。ほかには、クビになるのが野球の実力以外の何かなのかと類推してしまう選手も数人いたように思った。あとは、記念受験。どうか考えても再就職はないというような選手が最後の花道、辞める瞬間を家族に見せるため、という選手もいた。

高森 僕は引退試合という気持ちで行きましたね。2012年でした。スライダーを左中間にホームラン。結構、プロ野球に入って一、二に入る当たりだった。

人気野球漫画『グラゼニ』作者の森高夕次氏(講談社『週刊モーニング』で連載中)

森高 それだけの当たりでもダメなんですね。どこからも声はかからなかったんですか。トライアウトの過去の例だと、台湾の球団から誘われるケースとかありますよね。

高森 実はアメリカの球団から電話がありました。後は社会人チームが2~3ですね。

森高 日本のプロ野球球団以外は興味がなかったんですか。

高森 そうですね。そこまで野球にしがみつきたくなかったです。やりきりましたし、正直言って、都落ち感は否めないですね。

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