プロ野球の「トライアウト」にモノ申す! 漫画『グラゼニ』作者と元選手が語る内情
高森 まず「プレー!」の声がないのが独特ですね。
司会 どうやって(対戦の)組み合わせとか決まるんですか?
高森 僕は全ポジションができたので、ある球団から「キャッチャーで」という声がありキャッチャーをしました。困るのはピッチャーとのサイン。球種とか聞いて、サインを決めるんですけど、球筋もわからないし。アウトコースまっすぐとフォークしか出せない。納得いくボールを投げてほしいし。投げたいボールを投げて欲しいから、サインに首振ってくださいって。
バッターのことを考えると、四球(フォアボール)だったらかわいそうだし、配球なんてできなかったですね。スライダーだってどのぐらい曲がるかわからないし、捕れるのかって思いました。
急造バッテリーはつらい
森高 トライアウトを観に行ったときに、球をポロポロ落とすキャッチャーがいたんですが、「この人は無理なんだろうな」と思ったけど、急造バッテリーだからピッチャーの球筋がわからないってことがあるのか。
司会 どのピッチャーと対戦するかもわからない?
高森 運ですね。左バッターに、左、左、左ってこともあります。
司会 左ピッチャーで、左バッターへのワンポイントをアピールしたい人が、右打者、右打者、右打者ってこともあるんですよね。
高森 そうなんです。運なんです。終わるまで時間もかかる。ピッチャー1人当たり打者4人。東京とかでやると遠い球団の人から出るんで、福岡ソフトバンクホークスの選手から始まって次は広島カープの選手とか。横浜に本拠地があるベイスターズは最後のほうになります。
8時半にミーティングして、ベイスターズのピッチャーは出るのが15時ぐらいとか。野手はもう、ひたすら6時間は守って、7~8打席ぐらい回ってくる。超きついし、寒いし、長いし。