「過度な安静」ほど、健康を害するものはない 初期症状が治まったら、むしろ動き回るべし

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腰痛を訴える患者さんを2つのグループに分け、その一方にはしばらく安静にしてもらい、他方には普通に生活をしてもらって治り具合を比べたところ、後者のほうがはるかに早く治ったという研究報告もあります。腰痛は、安静にしているよりも、普通に日常生活を送っているほうが早く治るのです。

では残りの15%の人には、どのような障害が生じているのでしょう。そのうちのひとつが「椎間板ヘルニア」で、いわゆる「ぎっくり腰」です。

ヘルニアとは、臓器の一部が本来あるべき場所から飛び出した状態を指す言葉で、椎間板ヘルニアは、背骨(腰椎)の間にあるクッション(椎間板)が背中のほうに飛び出す症状。背骨の中を通る神経を圧迫するため、その周囲に激しい炎症を起こし、強い痛みが出ます。重症になると、激しい痛みのために動くことができなくなり、救急車で病院に担ぎ込まれる人も少なくありません。

「ぎっくり腰になった」と自己診断している人も多いようですが、「近頃、腰が痛くて」という程度で済んでいる場合、多くは椎間板ヘルニアではないことになります。

ただし障害のない腰痛でも、数日間起き上がれなくなるほどの人もいます。加えて腰痛の原因は実にさまざまですから、あまりに長引く場合は病院での検査が必要です。椎間板ヘルニアの場合も、多くは自然に回復しますが、まれに手術が必要になるケースもあるので、長く痛みが続く場合は精密検査を受けたほうがいいでしょう。

初期症状が治まったら、積極的に動こう

病気やケガをしたあと、養生の仕方で回復にどう差が出てくるかを比べた研究がたくさんあります。それによると、腰痛に限らず、どんな病気も、安静にしているよりも積極的に体を動かしたほうが早く治ることがわかってきました。

もちろん、体を動かせないほど症状が強いときに無理は禁物ですが、初期症状が治まったら、できるだけ早く体を動かすほうがいいのです。

ちょっとした病気やケガをした高齢者が、長期の入院・安静を強いられ、それがきっかけで認知症になってしまった……という話を聞いたことがある方は少なくないでしょう。人間の体は総じて、動き回っているときに初めて健康が保てるようにできているのです。

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