「生前贈与」を賢く活用する方法 相続増税がやってくる!

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たとえば、親が自分の財産の5000万円中、子に1000万円を贈与するとする。暦年課税を選んだら、1000万円のうち、贈与税の基礎控除110万円しか使えず、890万円が課税対象となる。しかし、相続時精算課税を選べば、先送りされた1000万円は、相続時の4000万円と合算されて5000万円となり、相続税の基礎控除6000万円(=5000万円+1000万円×1人)の枠内に入るから、課税ゼロだ。

結局、暦年課税も相続時精算課税も、それぞれメリットがある。ちなみに選ぶのは、どちらか一方しかできない。

“期間”を基準にする場合、親がまだ比較的元気で、相続発生まで長期間をとれそうなら、毎年コツコツ型の暦年課税を選ぶ。また“金額”を基準にする場合、トータルの財産が相続税の基礎控除額の範囲におさまりそうなら(子1人なら6000万円)、“まとめて一括型”の相続時精算課税を選ぶ、というようにだ。さらに暦年課税では孫にも贈与できるが、相続時精算課税では子までの限定など、違いがある。

いずれにしても、無駄なく節税をするために、生前贈与は賢く活用したいもの。その人の条件次第で節税のケースは異なるので、詳しくは税理士など税の専門家に相談してほしい。

週刊東洋経済6月25日発売号・特集『あなたを襲う相続税』では、相続税の仕組みから、生前贈与の仕方、不動産や保険を使った節税テクニック、親族とのトラブルQ&Aまで、様々なテーマを取り上げた。ぜひ参照していただきたい。※写真:相続税や贈与税は賢く活用しないと“納め損”になりかねない

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。資産運用や相続、年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。大野和幸(X)

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