「生前贈与」を賢く活用する方法 相続増税がやってくる!

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では、どこからが贈与で、どこからが贈与でないのか。税法では、一般通念上“通常必要なもの”であれば、社会常識の範囲内で課税しないことになっている。親から子に渡す毎月の生活費や教育費は非課税財産である(参考:離婚による財産分与は贈与税の対象外)。

が、少額ならともかく、大金となると、事情は変わってくる。「親子の仲だし、あげても、別にバレないだろう」と考えるのは甘い。

親が子に大金を贈与するときは、たいてい子の住宅の購入資金などに充てられることが多い。マンションを買った際、所轄の税務署から、「支払金額の調達方法」を確認する書類が送られることがままある。そこで不審な点があれば、資金の出入りを探るため、税務署は銀行口座まで調査できる権限があるのだ。

ならばキャッシュでもらう? いやいや、数百万円を手渡しでもらい、そのまま家に保管、現金で業者に支払うことなど、容易ではない。

相続時精算課税との選択

贈与税には、従来から一般贈与とされる「暦年課税」制度と、もうひとつ、03年度から施行された、「相続時精算課税」制度がある。

相続時精算課税を利用すれば、まとめて2500万円まで、贈与税が非課税となる。贈与税が課税されない代わり、相続時に合算して一括で相続税を支払うというものだ。いわば“相続財産の前渡し”とも言える。

この背景には、高齢者から若い世代に財産を早めに移転させることで、消費など経済活性化につなげよう、という政策的な狙いもある。

とはいえ、単純に考えれば、「贈与時に非課税でも、相続時に相続税を納めるから同じでは?」との疑問が沸いてこよう。ここでのポイントは、相続時に先送りすれば、相続税の基礎控除「5000万円+(1000万円×法定相続人数)」を利用できる点だ。

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