成城石井は、なぜ「安くない」のに売れるのか こだわっているのは、たった一つの本質だ
「原材料調達から製造方法まで非常にこだわっている。粗利率が約40%と高く、一方で生鮮品の構成は20%以下で、都市型生活のニーズを満たすモデル。高額消費と低価格志向という二極化が進む中でこれは武器になる」
昨年10月、東洋経済の取材に応じたローソンの玉塚元一社長は、買収を決めた成城石井をベタ褒めしていた。成城石井の強さのひとつが、品そろえの豊富さだ。輸入商材、隠れた名品、地方の名産品をはじめ、独自商材が極めて多い。
「成城石井にしかない」商品が多い
ワイン、チーズ、生ハム、紅茶、コーヒー、オリーブオイル、ジャム、味噌、牛乳、豆腐、納豆、昆布、鰹節、ダシ、チーズケーキなどなど、有名なメーカーのものも置いてあるが、成城石井でしかお目にかかれない商品も多い。買うときの選択肢が幅広い、ということだ。
人気の高い成城石井オリジナルのコーヒーは、オールアラビカ種。クオリティに対するコストパフォーマンスの良さが支持を得ている。プロのコーヒーショップのマスターが買いに来ることもあるという。
チョコレートは本場ベルギーやフランスからの直輸入品も多い。また、ただ輸入したものを店頭に並べるだけではない。輸入品はワンパックの量が多く、また包装は日本のクオリティのほうが高いため、小分けして自社で包装し直しているものもある。
成城石井のこだわりが詰まっているのが、「オリジナル商品」と呼ばれるプライベートブランド(PB)商品だ。成城石井は満足する商品が市場になかった場合、自分たちで満足できるものをつくってしまう。
中でも目を引くオリジナル商品がプレミアムチーズケーキ。多いときには1日に5000本以上売れるというこの商品は、ほとんど機械を使わず、一つ一つ手作りしている。常温で保存できる点も人気の秘密だ。
自家製ソーセージは国産のフレッシュな豚肉を使用。ドイツ岩塩で味付けし、ポークウインナーは天然の羊腸に詰めて作る。燻製用木材は本場ドイツからブナの木を取り寄せている。世界最高峰の食肉加工コンテストで数々のメダルを獲得するなど、その技術と品質は本場ドイツでも認められているレベルだ。オリジナル商品の数は2000点以上に及ぶ。
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