「渋谷ヒカリエ」に賭ける東急のまちづくり戦略 人が動くと、カネが動く

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注目のフロアは8階

さて、この渋谷「ヒカリエ」、ビジネスの面で注目したいのは、8階のクリエイティブ・スペース「8/」(ハチと読む)だ。

もちろん、渋谷のシンボル「ハチ公」(注:ハチ公の銅像が渋谷駅前広場にできたのは1934年)にあやかってのネーミングだが、ここには文化発信、ビジネス発信を目指すいくつかのコーナーがある。

ミュージアム、デザインショップ、貸しギャラリーと並んで、ビジネスマンを対象としたメンバー制オフィス「クリエイティブ・ラウンジMOV」が面白い。

 


■クリエイティブ・ラウンジMOV



最近、話題の“コワーキング・スペース”の1つだ。中央にオープンラウンジ、共通の広場を設け、そのまわりにミーティングルーム、ショーケース、24時間利用可能なレジデンスエリアなどが配置されている。

 

このスペースの運用を担当するのは、コクヨファニチャー。ひとりで参加してもよし、グループで参加してもよし。間仕切りのないオフィス空間で、メンバー同士が自由に討論し、プレゼンテーション、アイデア、リソースを交換しながら、新しいヒントをつかみ、事業計画を練る。渋谷発の新しいムーブメントを起こす起業家、挑戦者出でよ! という呼びかけである。

同じ8階に、自治体のオフィスが入るのも異色。渋谷区の防災課が受け持つ「防災センター」がそれ。非常事態の際は、ここが区の災害対策本部となり、本庁舎に代わる機能も受け持つという。

9、10階の「ヒカリエ・ホール」(6月開業)は各種イベント、ファッションショー、商品発表会、セミナー、パーティ、小演劇等、あらゆるタイプの催しに対応する。

11~16階は定員約2000人の「東急シアターオーブ」(7月18日開場予定)。

渋谷の街を一望できる地上70メートルの「宙空の劇場」という触れ込みだが、これが渋谷の通過客を滞留客に変えるための“目玉企画”である。ここに入れば、まず3時間は過ごすことになる。

 


■東急シアターオーブ

 

演目の第1弾は、48年ぶりに来日の本場ブロードウェイ版ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」(7月18日~8月5日)。アーサー・ロレンツ率いるキャスト・スタッフに話題が集まる。「ミュージカルの本当の楽しさを東京の大人の観客に味わっていただきたい」というのが劇場側の狙い。このあと「ミリオン・ダラー・カルテット」(同じくブロードウェイ)、続いてフランス版「ロミオとジュリエット」、ウィーン版「エリザベート」等が予定されている。

 

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