「渋谷ヒカリエ」に賭ける東急のまちづくり戦略 人が動くと、カネが動く

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この劇場の初年度売り上げ目標は4億円(来年3月まで)、同じく集客目標は20万人という。

ちなみに「Orb オーブ」は中世英語で「天球」の意。外部から見ると球形の劇場が浮いているように見えることから命名したという。

17階から34階に至るオフィス空間のうち、賃貸部分の総床面積は約3万8000平方メートル。渋谷地区では最大のスペースである。

早い段階で、ネットサービスのDeNA1000人の入居が決まり、「ほけんの窓口」グループ、ネットゲームのNHN japan等が契約。ほかにIT関連ソフト企業、服飾、デザイン業種が続いているという。運用する東急としては、「ベンチャー企業の強力拠点に」という狙いがある。

「ヒカリエ」と渋谷の街の今後の課題

さて、「ヒカリエ」開業後の渋谷の乗降客の反応は?

現象的には、通過客が滞留客に大きく変化しつつある。4月26日オープンの「ヒカリエ」の来館者は、開業18日間で220万人を突破。1日当たり12万人強という数字である。客が殺到しすぎて、入場制限をした日も何日かあった。「ShinQs」商業施設部門は、予想売り上げの160%をマークしたという。

商業施設の客層は、女性客が圧倒的に多い。ただ、目標とした40代女性の獲得拡大は、まだ十分でないようである。確かに客層の年齢は若干上がったが、脱ギャルを目指したハズが、ヤングギャルもかなり目立つ。「経済力のある大人の女性客」が実際に定着するまで、まだ克服すべき課題は残っている。

商業部門の各コーナーは、顧客の反応を見ながら売り場をedit(編集)するというが、“脱ギャル対策”のポイントは、この低年齢層世代の風潮に迎合しないこと。売り場のサービス、商品の質を絶えず向上させていくこと。これ以外にない。

やがて、自然淘汰されるはずである。もっとも、今の日本の社会全般の風潮が「AKB48」人気などに浮かれていることを考えれば、真の“脱ギャル”は容易ではないという声もある。

商業部門の売り場は、有名ブランドに頼らず、「ヒカリエ」にしかない個性の強いコーナーを育て、顧客の信頼を得ること。そこで初めて一時的滞留客がリピーターとなる。

かの口うるさい“鉄道王”ありせば、「そこのところをもっと工夫せい」と言うに違いない。

今後の「ヒカリエ」全体の年間集客目標は、来館者数1400万人、「ShinQs」の初年度売り上げ目標は180億円。

東急本社としては、渋谷の街の新しいランドマークとして定着させ、地域全体の経済力を高めたいというが、まちづくりの面でいうと、渋谷駅街区の整備計画(2026年度完了予定)は、まだ多くの難問題を抱えている。

 

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