ゴルフ専門サイト最大手ゴルフダイジェスト・オンライン・石坂社長に聞く--ネット小売りは競争激化、ネット予約で楽天とガチンコ勝負

拡大
縮小

--ゴルフだけではないが、スポーツのマーケットは軒並み縮小している。ゴルフもピークから半減以下になった。GDOとして何かできることはないのか。

どのスポーツも市場は縮小している。だが、相対的に見れば、引き続きゴルフはプロスポーツとしても、参加スポーツとしても、際立って大きい。GDOとしてできることは、ゴルフの価値、利便性を上げることだ。

GDOは米国最大のゴルフレッスンチェーン運営会社と提携し、リアルのレッスン施設「GolfTEC by GDO」を日本で始めたが、そこにはネットでの利便性を上げるだけでなく、そもそもゴルフをやっていない人たちがやりたいと思う、その敷居を下げないといけないとの思いもある。

たとえばゴルファー比率がこれまで人口の10%だったとしたら、これを12%や13%にすることは僕らもできるかもしれない。あるいはゴルファー比率10%には年に1回しかやらない人もカウントされているだろうから、彼らに年2回やってもらえばいい。

◆平均単価を半減させたからこそゴルフ人口は維持できた

僕らはゴルフプレーの平均単価を下げることには相当貢献している。この12年間を見ても、GDOがネット予約をやり始めた頃は、平日・週末・全国平均のグリーンフィーだけで単価2万円台。これが今は1万円前後。12年で平均単価を半分以下にしたというのは結構珍しいのではないか。

マーケティング理論の中で、価格柔軟性によって需要を刺激するということを証明したと思う。そのことに対して業界では悪名が高いかもしれないが、(単価が下がっていなければ)絶対、ゴルフ人口は維持されていなかったはずだ。

今の単価が適正かどうかは正直難しい。そろそろいいところに来ている。レジャー、余暇産業の中でゴルフの単価をどう考えるか。たとえば、映画はせいぜい2時間半。ゴルフは行き帰りを除いて5時間と考えると、時間当たりのコストパフォーマンスは悪くないともいえる。

--単価引き下げによる需要拡大効果は打ち止めということか。

ゴルフ人口拡大のために、オンラインでできることには限度がある。どんなにアクセスしやすく、ゴルフ場の予約が取りやすくなっても、もともとゴルフに興味がなければ意味はない。ゴルフに物理的に触れることができ、利便性がよく、さらに習い事としてうまくなる満足感をどう得てもらうか。「GolfTEC by GDO」はまさに、僕らにとってのO2O(オンライン・ツー・オフライン、ネットとリアルの連携)といえる。

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(大滝俊一、山田雄大 =東洋経済オンライン)

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