ゴルフ専門サイト最大手ゴルフダイジェスト・オンライン・石坂社長に聞く--ネット小売りは競争激化、ネット予約で楽天とガチンコ勝負
インターネットによるゴルフ場予約やゴルフ用品販売で知られるゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)が、創業以来12年間培ってきたビジネスモデルを見直すべき時期に差しかかっている。三菱商事を退職後に同社を設立し、年商100億円超のゴルフ総合サービス企業に育て上げた石坂信也社長に、今後の戦略を聞いた。
--GDOは、ネットによるゴルフ用品小売り、ゴルフ場予約、そしてゴルフ関係ニュースなどを配信するメディアがビジネスの3本柱。中でもネット小売りは売り上げ構成の7割を占めるが、最近は苦戦している。どういうことか。
ネットでの小売り、予約、そしてメディアの3領域を1つのサイトでやるのは、ゴルフだから成り立つ面がある。これを「トライシクル(3輪車)モデル」と名付け、創業(2000年)以来進めてきた。
ただ、このところ専業のネット小売りでは、価格競争激化による利益率の悪化が問題になっている。ベンチマークは家電小売りだ。家電で起きたことはゴルフ用品でも起こる。自社商品でないものを仕入れ販売するネット小売りは、最終的に価格勝負。「規模の経済」がないと耐えられない。
◆ネット小売りは利益率悪化、ネット予約の強化を最優先
米国ではアマゾンを除けば、ネット小売りの上位プレーヤーはシアーズ、ベストバイなどリアルの大手量販店。彼らのネットでの売り上げは1000億円以上の規模に達している。一方、日本のネット小売市場ではネット専業が比較的上位を占めているが、売り上げ規模は米国に比べ圧倒的に小さい。仕入れ販売する以上、規模の経済に訴えないと生き残れず、統廃合、淘汰が進む。
それは最近のネット小売りに対するM&Aの動きを見ても明らか。ケンコーコム(楽天が51%出資し子会社化)のように、独立系のネット小売り専業は少なくなっていく。(ネット専業でないが)アスクル(ヤフーが42%出資し筆頭株主に)のような例もある。
背景にあるのは、仕入れ販売を行うネット専業小売りの利益率の悪さだ。ネックとなるのはシステム投資、マーケティングコスト、物流費の3つが重いことだ。たとえばマーケティング力をいかに内部で自分たちで構築するかというと、それなりのチーム編成と才能のある人が必要。ヤフー、楽天、アマゾンのクラスだとつねに業界でもトップクラスの人材を連れてこれるだろうが、それはGDOの規模でもやっと、といったところだ。