ゴルフ専門サイト最大手ゴルフダイジェスト・オンライン・石坂社長に聞く--ネット小売りは競争激化、ネット予約で楽天とガチンコ勝負
--ゴルフ用品についてはどうなっているのか。
ゴルフ用品はこれまで比較的プレミアムなマーケットとされていただけに、価格下落の余地は大きい。その波が震災で一気に来た。ここで僕らの戦略は2つしかない。1つはそれでも従来どおり仕入れ販売を行って価格競争に勝ち抜き、規模の経済を追求すること。もう1つはそうした勝負はやめ、何らかの変化をすること。
--変化とはどのようなことを指すのか。
数年前から他のネット小売りの連中とは「専業同士で連合軍を組んだほうがいい」と議論をしてきたが、現実はシビアだった。目線が自社物流の強化にある人もいれば、マーケティングを強化しなくちゃいけないという人もいた。専業同士の連合ということについて、総論は賛成でも具体的な話は進まなかった。
--ネット小売りが厳しい中で、GDOはどのように生き残りを図るのか。
幸いGDOはネットで小売りだけでなく、ゴルフ場予約も行っているところにアドバンテージがある。予約の利益率は粗利ベースでつねに90%台。営業利益ベースでも際立っていい。予約事業があったからこそ、システムなどの投資も全部行えた。
ゴルフ場予約は楽天GORAとの一騎打ちの状況だが、2社とも成長しており、利益率も得られ、再投資できる。これが今の主力ビジネスで、投資を含めたすべての優先順位はまずここにある。楽天という最大手の総合サイトとの戦いでも、絶対にGDOが制したいと考えている。
◆コンテンツの有料課金は中途半端、無料化で集客エンジンに
一方、メディア事業については、12年前の創業時には姉妹関係にある雑誌社(ゴルフダイジェスト社)と同じぐらいの広告収入は数年以内に行くと思っていた。確かに広告は伸び続けているが、そこまで行っていない。
ただ、GDOのメディア事業は非常にユニークなオンリーワンのポジションにある。オンラインでここまでゴルフを取り上げているメディアはほかにない。日本では構造的に、需給バランスに比べネット広告が抑制されてきたが、GDOがこのポジションを維持し続けられれば、せき止められていた広告がもっと流れてきたときに受け皿として恩恵を受けられるはずだ。