天才数学者が決闘死前夜に残した奇跡のメモ 青木薫が味わうNHK数学ミステリー白熱教室
フレンケルは今回の講義で、「蝶の対称性」に「√2、-√2の対称性」を描き入れた1枚の図を手がかりに、幾何学的な対称性という比較的わかりやすい世界から、数論の対称性という、ぐっと抽象的な世界へとわれわれを導き入れた。そして、ガロアによる偉大な発想の転換がどんなものであったのかを語った。
そして、実はこの発想の転換が、今回の講義の大きな目標である「ラングランズ・プログラム」の神髄に触れるところなのである。フレンケルは崩したジグゾーパズルの山をいくつかに分け、「数学はいろいろな大陸にわかれている」と説明。「その大陸の間の不思議なつながり」を探すのが、「ラングランズ・プログラムなのだ」と第1回の講義で述べた。
ガロアが死の前夜に得た着想
ガロアが死の前夜に得た着想はまさにそれなのだ。5次方程式の解を求める必要はない、その解の性質である「対称性」を調べれば、知りたいことはわかる。解の公式で現せるか否かまではわかるのだ(この方法でガロアは5次方程式には解の公式はそもそも存在しないことを証明した)。
次回、彼は、ラングランズ・プログラムの核心に一気に迫り、「調和解析の対称性」について語るという。「調和解析」とは音の倍数などがその種類のひとつだ。有名な「フェルマーの最終定理」についても語るそうだ。いったい調和解析にどんな対称性があるのだろう?
「フェルマーの最終定理」は、ラングランズ・プログラムにどんな役割を果たしたのだろう? そしてフレンケルは、この難しいテーマをどう料理して見せてくれるのだろうか。第3回も絶対に見逃せない。
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