「超ひも理論」の理解者はパンダより少ない! 天才物理学者・浪速阪教授に聞く<2>

中央が橋本幸士阪大院教授、左が仲野徹阪大院教授、右が筆者
『超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義』(講談社)の著者、大阪大学大学院理学研究科教授の橋本幸士さんを、『エピジェネティクス』(岩波新書)の著者、大阪大学大学院医学系研究科・生命機能研究科教授の仲野徹さんと訪ねるシリーズの後編。前編では理論物理学者と生命科学者による手に汗握る知的バトルをお送りしたが、今回は、どんな話になるのか。
円すいをどう特徴付けるか?
仲野:ちょっと、黒板に書いてある円すいの話を聞きましょう。それはそんなに難しいことではないでしょう。
橋本:ないですよ。ここでは、この円すいをどう特徴付けるかを考えています。
仲野:え、その円すいは円すいじゃないんですか???
こらこら、仲野先生。
橋本:円すいを特徴付けるのは高さとか角度とか、いろいろありますね。そのデータへの落とし込み方は、どうやるのが本質的なのかを考えているのです。

円すいです!!
仲野:ほお。
橋本:それで、我々の体は粒子からできていますが、その粒子は波でもありますよね。あの、我々の体はそうできてしまっているんです。
仲野:確かにね。
橋本:そう考えると、粒や波を満たすこの空間という入れ物も、粒か波でできていると思うしかないんです。
仲野:……。
橋本:ないですよね。すると、この円すいのはっきり見えている直線部分も、ギザギザしていたりぼんやりしていたりするかもしれません。角度は飛び飛びかもしれません。
仲野:……。
橋本:通じました?
仲野:あの。成毛さん、自分だけわかったふりするのやめてください。
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