人口オーナス社会が到来、需給両面の活性化に加え、社会保障の抜本改革急げ

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年金の積み立て方式への移行については、現在の現役世代が引退世代への給付とともに自らの積立金も拠出する「二重の負担」が大きな問題とされる。ただ、高齢者への給付削減を断行したうえでの長期的な移行であれば、できないことはない。加藤教授は、「まず現在の現役世代は賦課方式を少し上回る保険料を拠出し、余剰部分を積み立て、老後の年金原資とする。これを数世代続け、賦課方式で拠出する部分を徐々に減らし、積み立て部分を徐々に増やしていけば、完全な積み立て方式に移行できる」と言う。二重の負担を一世代ではなく数世代で分け合うやり方である。

第四に、人口オーナスそのものを和らげる少子化対策も重要だ。

少子化の根本的な原因は、婚姻率が低下していることである。その大きな理由は、未婚化や晩婚化といった結婚への意識・行動の変化や、社会・経済環境の変化である。後者への政策対応は十分可能だ。

社会・経済環境の変化としては、若年層の雇用情勢の悪化、女性が出産・育児で仕事を辞めることによる機会費用(逸失利益)の増大、などが挙げられる。

新卒一括採用はいまだに就職の基本パターンであり、雇用情勢の悪化でコースに乗れない若者は増え続け、その多くはフリーターなどの非正規雇用となる。厚労省の調査では、正規と比べ収入の少ない非正規の婚姻率は低い。また、仕事か出産・子育てかの二者択一に悩み、出産をあきらめる女性も多い。正規雇用の女性が職場をいったん辞めると、非正規でしか戻れないことがほとんどで、逸失利益が大きいからである。

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