物価高でもなぜ「一杯240円」で戦うのか?─うどんチェーン社長の逆張り経営論…「俺はお前の苦悩のうどんが食べたい」父の言葉が支える覚悟

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茹で方にもコツがある。ふわーっと水泡が出てくる「蒸し煮」の状態が一番おいしくなるという。ボコボコ沸騰していたり、火力が足りなかったりすると、おいしくならない。

うどんを茹でる釜
うどんを茹でる釜。この水泡が表面に出ている状態がよいそう(写真:筆者撮影)

おいしい出汁は「ほの甘い」

出汁についても聞いてみた。

「社長が考えるおいしい出汁とはどんな出汁ですか?」と尋ねると、「甘い出汁です」と言い切った。

「甘いっていうのは、昆布と魚節。昆布はグルタミン酸、魚はイノシン酸なんで、これが合わさると相乗効果でうま味が強くなって、ほの甘く感じるんです」

出汁の取り方にも理由がある。

昆布のうま味をきちんと抽出しつつ、沸騰させてはいけない。沸騰すると「マンニット」と呼ばれるぬめりが出てしまう。ぬめりが出ると、次に入れる魚の節に昆布の水溶液が浸透しなくなり、魚のエキスが出てこない。

「昆布水が魚の節に入ることで、魚のエキスが出てくる。エキスなんで悪いものも出てくる。それが灰汁。魚のエキスを最大限引き出して、灰汁だけをとってあげれば、最大のうま味が残るわけです」

出汁へのこだわりはオペレーションにも現れている。以前は効率重視で大きな釜で280人分を一度に炊いていたが、今は56人分ずつ小分けにして炊いている。

「おいしさの8割方は、風味なんです。香り」

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