物価高でもなぜ「一杯240円」で戦うのか?─うどんチェーン社長の逆張り経営論…「俺はお前の苦悩のうどんが食べたい」父の言葉が支える覚悟

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店内の様子
店内の様子(写真:筆者撮影)

お前の「苦悩のうどん」が食べたいんだ

低価格を実現するには、オペレーションの磨き込みが必要だ。そしてオペレーションを磨くのは、ひと。社長には、ひとを育てることへの強い想いがある。

小麦冶を立ち上げた頃、当時の社長である父との軋轢を抱えていた。「話もしたくない状態」が続いていたという。

ところがオープン直後、父から店に電話がかかってきた。

「『お前の作ったうどん食わせてくれ』って言うんです。『いや、まだ食べさせられるレベルじゃないから』って断ったら、怒られたんですよ。『のぼせんな』って」

父はこう続けた。

「『俺はお前が苦悩してるうどんを食べたいんだ』って。完成したうどんなんか食いたくない。お前が今、本当に悩んで苦しんで作ってる、そのうどんを食べたいんだって」

その言葉が、胸に刺さった。

「親父も同じような思いをしながらやってきたんだって、その時、初めてわかった。うれしかった。ひとを作るっていうのは、そんな簡単じゃないってことですよ。苦悩しながら本物になっていくのかなって」

静かに続ける。

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