物価高でもなぜ「一杯240円」で戦うのか?─うどんチェーン社長の逆張り経営論…「俺はお前の苦悩のうどんが食べたい」父の言葉が支える覚悟

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小麦冶・箱崎店
小麦冶・箱崎店(写真:筆者撮影)

本当に価格を下げればお客さんは来るのか。3日間限定で「100円うどん」を試してみることにした。チラシを撒いて、かけうどん一杯100円をアピールした。結果は、一目瞭然。ピークタイムにお客さんが殺到した。

「いける」

手応えを感じた社長は、自家製麺に切り替えて原価を下げる方向へと動いた。小麦の仕入れ価格から計算し直すと、140円でも十分に利益が出る。24時間営業だった黒田藩を深夜2時頃までに短縮し、ピークタイムに集中して売り切る形に変えた。

ちなみに、自家製麺への切り替えは容易ではない。他社工場でラーメンの麺や、うどん麺を作ってもらうなかで、自家製麺の製造を想定し、製麺のノウハウを蓄積していた。

「営業時間を半分ぐらいに短縮して、客数が2倍になったんですよ。売り上げは1.7倍ぐらい」

こうして2002年、「釜揚げうどん 小麦冶」が誕生した。

家族経営など小規模の店が多かった当時、席数を増やして、価格を下げて杯数を稼ぐという新業態が評価された。新規業態開発部門における優良フードサービス事業者として、農林水産省総合食料局長賞も受けた。補助金などの支援も追い風となり、2003年の社長就任以降、小麦冶の出店が加速した。

小麦冶のメニュー
小麦冶のメニュー(写真:筆者撮影)

ピークタイムで売り切る

社長が説く「うどん屋のセオリー」はこうだ。

うどん屋は昼時は売れるが、それ以外はアイドルタイムとなる。そうなると、どんぶりものを出したり、天ぷら定食を出したり、バリエーションを増やす方向にいく。それで売れてくれればいいが、売れずにコストだけが上がり、赤字幅が大きくなるパターンが多いという。

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