きゃりーぱみゅぱみゅも「保育園落ちた」。"日本死ね"から10年、待機児童ゼロなのに保育園入れないカラクリ

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男性の育休取得率は年々上昇傾向にあるが、職場の理解不足などを理由に取得しづらい環境も依然残っている。結果として、母親側がキャリアを後回しにする構図が再生産されているのだ。

「本当は夫にも育休を取得してもらいたかったけれど、夫の会社では男性が育休を取得した実績がほとんどなくて。夫自身も肩身が狭い思いをしたくなかったのか、結果的に育休申請すらせずに、今まで通りの働き方を継続しました」。Aさんはそう語る。

保育園全落ちによりキャリアを断たれる母親が今なお多く存在することは、もはや個人の問題ではなく、日本の制度設計の問題であるとも言えよう。

制度上の改善と当事者の実感が一致しない現実

0歳の赤ちゃん
「点数的に1歳児クラスでの入園は難しい」と役所から助言を受け、筆者は第2子を0歳児クラスから預けることになった

保育園に入れなかったとき、失われるのは母親のキャリアや収入だけではない。女性の継続的な労働参加の停滞、専門人材の離職、それにともなう税収減少や出生意欲の低下など、社会全体で見ても、その損失は計り知れない。

それでも国の政策議論は「待機児童数の減少」という数字に焦点を当てがちだ。待機児童数が減ったという事実は、確かに重要である。しかし、隠れ待機児童が増加していることからも分かるように、制度上の改善と当事者の実感は一致していない。

制度が「解決に近づいた」とされる一方で、今この瞬間も自身のキャリアや自己実現を諦めている母親たちがいる。

「保育園に入れなかった」――ただそれだけの理由で。

保育園全落ちのツケを直接払っているのは、多くの場合母親だ。しかしその犠牲が積み重なった先で、社会全体が支払うコストは決して小さくない。

その影響の大きさは、統計だけでは測りきれない。この問題を、国はどう見るだろうか。

杉井 亜希 フリーランスライター/イラストレーター

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すぎい あき / Aki Sugii

1989年東京下町生まれ。法政大学卒業後、一般企業に勤めるも自身の創作意欲を払拭できず見切り発車で2016年に独立。現在は大手美容メディアや生活情報メディアを中心とした執筆・編集業務に携わり、女性誌や児童書などでのイラスト制作も手がける。やわらかで読みやすい文章制作が得意。2018年、2022年生まれの子を持つ2児の母で愛犬家。

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