作業を進める中で、二見氏は「ゴミ袋の使い方」についても教えてくれた。プロの現場では、ゴミ袋をパンパンに詰めることはしない。
「ゴミ袋に入れるのは7分目までです。パンパンにしないのは、運び手が持ちやすくするためです」
家庭での片付けでは「袋がもったいない」と限界まで詰め込みがちだが、それは作業効率を著しく下げるだけだ。
「目の前にゴミ捨て場があるならいいですが、100mも歩くような場所なら、重すぎるゴミ袋は運ぶだけでかなり大変です。45リットル(L)ならまだしも、大掃除で使うような70Lや90Lの袋をいっぱいにしたら、プロの僕らでも腕がパンパンになります。結ぶだけでも大変ですし、作業が進むにつれて疲労が溜まり、結果的により時間がかかってしまうんです」
また、今回のような小銭や本などの重いものはゴミ袋に入れず、ダンボール箱を使うのが鉄則だという。
公営住宅は遺族を待ってくれない
自治体にもよるが、公営住宅では住人が亡くなった場合、数カ月以内の退去を求められることが一般的だ。先述のとおり、入居待ちが多いという事情がある以上、避けては通れないルールである。
しかし、身内を亡くしたばかりの遺族にとって、その期間は長いようで短い。家具、趣味のモノ、写真、思い出の品など、1つひとつに手を止めていれば、あっという間に期限は迫ってくる。
「公営住宅の場合、退去日は待ってくれません。期限に追われ、思い出に浸る間もなく作業を進めざるをえないこともある。そんなすれ違いの中で、いかにご家族の思い出を残しながら部屋を空にする手助けができるか。それが僕たちの仕事だと思っています」(二見氏)
一般的な賃貸物件とは異なる公営住宅特有のルール。いざそのときになってから途方に暮れないためにも、親が公営住宅に住んでいるという人は知っておいたほうがいいだろう。
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