片付けの依頼を受けた「イーブイ」代表の二見氏は、公営住宅の現状を次のように語る。
「公営住宅の退去ルールは、一般的な賃貸物件に比べてとにかく細かいんです。自治体にもよるのですが、退去日までに元から付いていたもの以外の設置物をすべて外しておく必要があります。公営住宅には、入居時にインターホンや給湯器がついていない場合もあり、それらを取り付けた場合は、退去時に取り外さなくてはなりません。給湯器の土台に木材を使っていれば、それも撤去対象です」
撤去リストは多岐にわたる。洗濯機、ベランダの私物や床のマット、物干し竿などは一般の賃貸でも共通だが、公営住宅では以下のものまで「居住者の責任」でひとつ残らず撤去しなければならないケースが多い。
壁に刺さった画鋲、釘、フック類。カーテンレール。電気配線、電話線、ガス警報器、インターホン。ガスコンロ、エアコン、トイレのウォシュレット、網戸。照明器具は蛍光灯本体だけでなく、カバーや配線まで取り外す必要がある。
ペライチの紙を見ただけでは、業者でもない一般人には、何を外し、何を残すべきかの判断は難しい。二見氏は「この細かい項目が並んだ紙を1枚渡されても、普通は外し方すらわからないでしょう」と話す。
民間と違い「次の入居待ち」が常に存在する
作業は計6人で行われた。まず搬出の動線を確保するため、室内のふすまを取り外す。出口が狭い公営住宅では、これだけで作業効率が劇的に変わるという。
「片付け自体は2時間ほどで終わる見込みですが、取り外し作業だけで1時間ほどかかります。公営住宅はこの取り外し作業の多さが肝なんです。自分でやりたいという方は、プラスドライバーとペンチ、それに古いネジ用にマイナスドライバーを用意すれば、ある程度は対応できます。ただ、ネジが錆びていたり潰れていたりすると、専門の工具が必要になります」(二見氏)


















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