外国人・移民問題「放置すればフランスのようになる」は本当か、理想を掲げて本気で取り組んだが挫折した仏独
だから、「もう5年もすると外国人によって日本が日本でなくなる時が来る」という超保守政党の主張が心に響くことになる。掛け声で「多文化共生の時代」「ダイバーシティ効果が社会や企業を活性化する」と言われても困惑する日本人は多い。
日本に長く住む外国人の中には、外国人政策で事を荒立ててほしくないとか、同化を迫らない今の緩い状態が最も居心地がいいという人も少なくない。
確かに外国人と言って眉をひそめたり、差別意識を露骨にされたりすることは、居心地を悪くする。しかし、その緩さを逆手にとって、見えないところで犯罪行為を行う状況があるのもデメリットだ。税金を払わない外国人も存在する。透明性のなさ、グレーゾーンは犯罪の温床になりやすい。
在日外国人の教育が鍵を握る
少子高齢化で世界の先頭を走る日本は、明らかに人手不足が深刻化している。外国人労働者なしでも大丈夫という論者もいるが、日本人だけでは問題解決に限界がある。グローバル化が避けられない企業は外国人材を必要としているし、明治維新以降の日本の近代化は、欧米との接触なしには考えられない。
日本では共生か排除かで語られがちな議論だが、フランスの外国人受け入れ対策で感心させられることもある。それは国外からフランスに入ってきた時点で、子供たちがフランスの学校についていけるようにするため、すべての外国人の子供たちに適応クラスが設けられていることだ。
半年間はフランス語の授業、その後の半年は学年ごとの科目学習に適応するためのクラスに配属される。この丁寧な対応は無料で実施されている。この時点で年齢によっては社会ルールや政教分離の原則なども学ぶ機会が与えられる。多文化を持つ生徒の共存に先生は注意を配っている。
一方、日本の課題の一つは、受け入れる側の多文化対応が不十分なことだ。その一つが、日本が必要としているITエンジニアや研究者、経営管理職といった高度スキル人材が日本で働きたくない現象をどう食い止めるかだ。スイスの国際経営開発研究所(IMD)の毎年の調査で、日本は長らく「アジアの高度外国人材が働きたくない国」の最下位クラスにある。
最近の理由は円安により、稼げない国になったことも大きいが、最も指摘されてきたことはキャリアパスが明示されない、スキル習得を実感できない、長時間の労働環境などが敬遠される原因になっている。これは国内の日本人従業員の意識の変化によって多少の改善はあるが、働くことを人生の中心に置く日本人サラリーマンの意識は大きくは変わっていない。
高度スキル人材の長期滞在には、家族の手厚いケアも必要だ。とくに子女の教育環境が日本人向けにしか整備されていない現状では、受け入れはハードルが高い。最近、話題を呼んでいる台湾の半導体大手TSMCの熊本拠点では、台湾側の要求もあり、インターナショナルスクールの開校が相次いでいる。
エンジニアや幹部職員は家族での滞在が基本だが、日本の学校に通っても将来的に米英などの一流大学進学は困難なので、インターナショナルスクールは必須で、高度スキル人材誘致には必須だ。


















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