ただし、これは“誰が制度設計・情報提供を担うのか”という問題と直結する。
「そのため、学生や保護者が、奨学金を借りる前にきちんと情報を得られるような仕組みを整える必要があるでしょう。JASSOなのか、学校(高校または大学)なのか……。その役割は明確にすべきです」
奨学金は将来の可能性を切り開くもの
近年、奨学金については、返済と利子ばかりが強調され、「借金」としてネガティブに捉えられがちだ。もちろん、向井さんのように返済に時間がかかるケースもあるが、ほかのローンに比べて利率が低く、将来の可能性を切り開くものでもあるという側面は、もっと社会全体で共有されるべきだろう。
「私自身、大学職員として働くなかで感じたのは、JASSOの“家計急変採用”などの給付型奨学金制度を知らない保護者が非常に多いという現実です。
これは“父親が突然亡くなった”や“家計が急変した”といったときに申請できる返済義務のない奨学金です。
この奨学金の受給対象者となり得るような相談が大学に多く寄せられるのですが、いくら電話口で制度を説明しても、“奨学金は借金だから使いたくない”と、話を聞こうとしない保護者も少なくありません」
そうした経験から、向井さんは奨学金を活用するには、社会全体としてマネーリテラシーを高めることが不可欠だと考えている。
「今後、JASSOをはじめとした関係機関には、制度の提供だけでなく、正しい知識と意識を広める啓発活動も、大きな使命として求められるのではないでしょうか。
将来、パートナーになろうとしている相手が奨学金を返済中だと知ったとき、“それは借金じゃん”と短絡的に捉え、ギャンブルや浪費による借金と同列に見てしまうような認識では困ります。奨学金の背景にある事情や意味を理解していれば、人生を共に歩む相手に、もっと寄り添えるのではないかと思うのです」
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