手取り20万なのに奨学金の返済が「毎月4.4万円」もあった…奨学金600万円・38歳彼女の返済の実情

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そもそも、返済に追われていた時期には、常に何かを犠牲にしてきたという後悔もあった。

「20代の頃に自己投資や自己研鑽ができなかったのは、もったいなかったですね。何かを習ったり、資格の勉強をしたりする余裕はありませんでした」

しかし、コロナ禍でステイホームが続いていた時期、少しだけ生活に余裕ができた。そこで、もともと勉強が大好きだった向井さんは、「もう一度、何か勉強できないかな」と思うようになった。

通信制大学で3つの資格を取得

「そこで通信制大学に入学しました。最初は“1年で資格を取って退学しよう”と考えていたのですが、勉強を始めてみたら予想以上に面白くなってしまったのです。結局、4年間かけて学位を取り、資格も3つ取得しました。私自身が大学職員という立場だったこともあり、ほかの大学に在籍する経験は本当にプラスになることばかりでした」

支払った総額は54万円ほどだったが、得られたものはそれ以上だったという。

「卒業式では袴を着て式に参加しました。そのときはまだ気づいていなかったのですが、実はお腹に子どもがいたんです……。きっと、今のように、子どもがいる30代半ばでという状況では、“通信制大学に入学する”という選択肢は取れなかったでしょう。だからこそ、30代の身軽だった時期に、自分で稼いだお金で挑戦できたことは、私にとって大きな財産になりました。『あれは良いお金の使い方だったな』と、今も自負しています」

結婚・引っ越し、そして妊娠・出産といったライフステージの変化があった際にも、無理のない返済額だったおかげで対応できたというのは大きい。

そのため、向井さんは奨学金制度について、進学の選択肢を広げる手段として、無利子・有利子ともに必要だと考えている。

「私のように親に経済的に頼れない立場にある人間にとって、親の名義で借りる教育ローンよりも、本人名義で借りる奨学金のほうが自立的な選択肢だと思います。もちろん、それは責任も自分自身にかかってくるという意味でもありますが、自分の力で運命や人生を切り開く手段として、奨学金制度は重要だと考えています。

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