手取り20万なのに奨学金の返済が「毎月4.4万円」もあった…奨学金600万円・38歳彼女の返済の実情

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そして、29歳で結婚。よく「奨学金が結婚の障害になる」と言われるが、夫は教育学部出身ということもあり、奨学金制度についてある程度の理解があった。

昨年子どもが生まれた向井さんは現在、育児休暇中だが、JASSOに返済一時停止の申請はせず、2万4000円の返済を毎月続けている。長期にわたる返済プランの指針となったのは、2人の人生の先輩たちからのアドバイスだった。

「職場の上司からは“ある程度、現金で手元にお金を持っていたほうがいい”というアドバイスをもらいました。その上司はご家族に急な不幸があった際、お葬式をあげるにも現金がなく、とても苦労されたという経験があったそうです」

冠婚葬祭はクレジットカードで支払うことはできない。それに、向井さんの父親は最終的に自己破産しており、実家に頼ることができないという事情もあった。

「もうひとつ、先輩ママからは“結婚生活が円満にいけばいいけど、そうならないこともあるし、どちらかが急に働けなくなることもある”と言われました。突然病気になったり、障害を負ったりという可能性もゼロではないため、“現金で備えておいたほうがいいよ”というアドバイスをいただいたんです」

そこで、奨学金の返済金額を一気に増やして早めに返すという選択肢もあったが、結婚したばかりで、実家も不安定である向井さんの置かれていた状況を考えると、それは逆にリスクになる。そこで、「返済を急ぐよりも貯金を増やそう」と考えるようになった。

向井さんにとって貯金が“最適解”

「もちろんデメリットも理解していました。返済期間が長くなれば利息も増えるというのは承知の上でした。それでも、結婚や出産など将来的なライフイベントを考えると、やはりある程度の現金を手元に持っておくべきだと判断し、従来通りの返済金額に設定したという経緯があります。“いざというときに焦らずにお金を用意できる状態をつくっておく”というのは、私にとっては本当に“最適解”だと、今も思っています」

「手元に借金があるのは嫌だ」という理由から、生活を切り詰めてでも早期返済を目指す者のほうが多い。しかし、向井さんは敢えてその選択肢を選ばなかった。

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