浴室は完全に物置と化し、替えの蛍光灯や空き箱、不要になった家具が押し込まれている。浴槽の縁すら見えない状態だ。
袋詰めされたゴミが大量に詰め込まれているところを見ると、ゴミをまとめはしたものの、外のゴミ捨て場まで搬出する余裕がなく、ここに押し込めていた苦労が透けて見える。
部屋の壁面や窓枠、家具の表面は、長年の喫煙によるヤニが付着し、濃い茶褐色に変色している。窓から光が差し込むと、積もった埃や汚れが目立ち、室内全体がよどんでいるように感じられた。
和室に残された本や書類も、表紙は日光とヤニで茶色く変色し、ページをめくるとようやく本来の白さが現れるといった状態だ。すべての部屋が荒れ果てていた。
ドイツから帰国した親族が絶句した理由
依頼主である夫婦は、30年もの間、ドイツで生活を送っている。日本で1人暮らしをする叔父のことは、遠くにいても常に気にかけていたが、顔を合わせる機会は少なかった。
叔父のもとには定期的に介護ヘルパーが訪問していた。そのため、「プロがついてくれているなら、身の回りのことまで面倒を見てくれているはずだ」と安心しきっていたのだ。
そんな矢先、叔父が病院で亡くなった。叔父には片付けを頼めるような親族がいなかったため、賃貸で住んでいる部屋を夫婦が片付けることになった。とはいえ、1人暮らしだし、たいした荷物もないだろう。そんなことを考えながら日本へ帰国し、叔父の部屋に入ったとき、前述の惨状を見て2人は絶句した。
作業を担当するイーブイ側も、当初は「物量の少ない1人暮らしの遺品整理」という想定だった。しかし、見積もりの前日に「部屋が大変なことになっている」と改めて依頼主の夫婦から連絡を受け、作業の予定は大幅に変わることになった。


















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