おりしもトルコのアンタルヤで開かれていた主要20カ国・地域(G20)首脳会議は16日、「全人類に対する容認できない侮辱」であり、「テロはいかなる状況でも正当化され得ない」と最大級の言葉で非難し、テロ撲滅のため資金源遮断などに取り組むことを盛り込んだ異例のテロ対策特別声明を採択して閉幕した。
パリでは今後もテロ襲撃が起こる可能性があると指摘されており、18日にはパリ近郊のサンドニで犯人組織の一部を逮捕している。
これが現在までの事件の経過である。では、今後、国際社会は何をする必要があるだろうか。4つのポイントを考えていきたい。
まずは各国が警戒を強めることが必要
各国間の協力と連帯の面では、目先はテロへの対応能力(警察力)の強化が必要だ(第1のポイント)。ただ、それだけで済む問題ではない。ISに走る若者への対策、資金源の遮断、武器供給の抑制などの問題があり、ここがテロとの戦争に勝つ必須条件だ(第2~第4のポイント)。
第1のポイントは、対応能力の強化だ。対応能力強化は各国自身が努めることであるが、それと同時に国際刑事警察機構(ICPOあるいはINTERPOL。以下「インターポール」)を通じた国際協力の強化も必要だ。これは国際犯罪の防止のため各国の警察により組織された国際組織であり、今回のような事件が起こった場合、フランスの警察はインターポールと緊密に連絡を取り合いながら事件の捜査や今後の対策を講じる。ちなみに、インターポールの本部はフランスのリヨンに置かれている。
インターポールは、国際犯罪に関する情報共有のためデータベースを管理し、各国の警察に必要な情報の提供を行うが、シリアやイラクでは情勢の悪化により情報の伝達が円滑に行われなくなっていると指摘されている。
パリで今回の事件が発生するわずか1週間前、「G7ローマ・グループ(1978年設置された国際テロなどの動向について意見交換を行うテロ専門家会合グループ)」でインターポールの代表は、国際テロにはグローバルな対策が必要であり、系統立った情報の共有と事件現場からのインターポールに対するアクセスの強化を強調したばかりであった。
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