中国の南沙支配は、もはや身動きが取れない

ASEANサミットでは"中国批判"が多数派に

11月22日、中国の李克強首相(右)は、南シナ海をめぐる領有権争いについて域内諸国との直接交渉を求めた(ロイター/OLIVIA HARRIS)

南シナ海を巡る米中の対立は緩和するのか――。11月21~22日、マレーシアのクアラルンプールで開催された今年のASEAN首脳会議(東アジア・サミットなど域外国との会議を含む)では南シナ海問題に注目が集まった。

南シナ海の南沙諸島での中国による埋め立て工事について、フィリピンは2014年のASEAN首脳会議の場で抗議の声を上げた。ところが、2015年に入ると中国は飛行場を完成させるなどさらにエスカレートしたため、米国は中国に自制を促し、国際法を尊重するよう求めてきた。

しかし、中国は一向に耳を傾けようとしない。そのため、10月27日に米国は埋め立て現場から12カイリ、すなわち中国が自国の領海だと主張する海域に艦艇を乗り入れ、航行の自由を確保する強い姿勢を見せた。中国は反発し、米国の行動を非難した。このような状況の中でASEAN首脳会議が開催されたので米中の確執に注目が集まるのは当然だった。

行動規範の早期締結で合意したが・・・

ASEANではかねてから南シナ海の問題が討議されていたが、現段階では「行動宣言」、すなわち各国とも紛争は平和的に解決するという表明にとどまっている。これをルール化した「行動規範」の策定は毎年議論されるものの実現しないままになっている。その主な理由は、「行動規範」が定められると自由な行動が制約されると中国が渋っているからだ。

ところが、今回の首脳会議では「行動規範」を「早期に締結する」ことが合意された。これを実質的な前進と見てよいか、見解は分かれている。

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