8.7坪の小さな店から年商34億円に成長した「猿田彦珈琲」、《求人倍率20倍・定着率93%…!》「元俳優」の社長が語る"人が集まる"組織の秘密

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「面接でもそこを一番見ているつもりですが、難しいですね。僕はよく冗談で、『誰かが誰かをいじったり、強く当たってはなりません。いじっていいのは唯一僕だけです』と幹部たちに話しています。

『僕だけは許されますけど、それ以外はしてはなりません』と。重要なのは、利他的な気持ちがあることです。そうでなければ……」

言葉を濁したが、意味は明らかだ。利己的な人は、自ずといられなくなる。その考えは、猿田彦珈琲という組織の根幹を成している。

恵比寿本店の外観
恵比寿本店の外観。すべてはここからはじまった(写真:猿田彦珈琲)

応募20倍の秘密は「土壌づくり」

冒頭で述べた通り、人手不足が叫ばれる外食業界において、猿田彦珈琲の求人には20〜30倍の応募が殺到する。大塚さんにその理由を聞くと、「よくわからないです」と笑った。でも、と続けた。

「いい人が育ってきたからじゃないですか。居酒屋で偶然会った人に、『ある珈琲屋さんで働きたいけど、いじめが半端じゃないらしくて』と聞いたことがあって。やっぱり、いい環境、人間関係の良さが一番大事だなと改めて思いました」

スタッフが「Yes + α」の姿勢で主体的に動き、それを見た利他的な人が「ここで働きたい」と集まり、いい環境が醸成される。後輩は先輩を見て、主体的に利他的な接客ができるようになる——。その循環こそが、応募20倍の理由なのだ。この循環を作るのが経営陣の仕事だ、と大塚さんは話す。

実際、猿田彦珈琲には「環境で人が変わった」実例がある。

たとえば、強豪が集うコーヒーの競技会「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」で2024年に優勝、その世界大会「ワールド バリスタ チャンピオンシップ」で2025年に5位に輝いた伊藤大貴さん。

彼について大塚さんは、「最初の印象は、『目がキラキラしすぎな、線の細いとてもか弱いイケメン』でした。絶対大成することはないだろうな、ダメな奴だなって思っていました」と懐かしそうに話す。

ジャパン バリスタ チャンピオンシップ2024で
ジャパン バリスタ チャンピオンシップ2024で、伊藤さんは優勝を果たした(写真:猿田彦珈琲)
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