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8.7坪の小さな店から年商34億円に成長した「猿田彦珈琲」、《求人倍率20倍・定着率93%…!》「元俳優」の社長が語る"人が集まる"組織の秘密

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新人研修のなかにも、哲学は生きている。「アドリブ劇」といわれる、台本なしで会話をする接客トレーニングがあるのだ。その内容は、相手の言葉を否定せず、さらに何かを付け加えて会話を発展させること。大塚さんの言葉を借りると、「イエス・バットじゃなくて、Yes + α(イエス・プラス・アルファ)」の姿勢である。

たとえば「お水飲みますか?」と聞かれて、「飲みません」と答えたら、そこで会話は終わってしまう。しかし、「飲みたい。でもコーラも一緒に飲みたいんだよね」と返せば、会話はどんどん広がっていく。この感覚をアドリブ劇から学んでもらうのだ。

接客に応用するとどうなるのか。

「お客さんが来て、疲れた顔をされているとします。じゃあ、『今日はなんかお疲れそうですね』と言って。相手が『ちょっと疲れてんだよね』と言ったら、『今日、甘いのにします?』と言ってみる。

もともと甘いのを飲まない方だったけど、その一言で、『じゃあ甘いのにしてみようかな。何がおすすめ?』って返してくれて、話が盛り上がる、ということが起こり得ます」

接客の統一マニュアルは「ない」

筆者は、よく訪れる猿田彦珈琲の大阪・淀屋橋駅店で、まさにこの「Yes + α」を体感している。「パイが焼き上がりましたのでいかがですか?」「今日は寒いですね」など、マニュアルにはない、さりげない声かけがあるのだ。

あるときは、「アップルパイ今焼けましたよ」と笑顔で促されてついオーダー。登場したアップルパイの、熱々で甘酸っぱいフィリングに魅了された。

もともと、アップルパイという選択肢は脳裏になかった。声かけからの非日常な体験が印象に残り、「また行きたい」につながったと感じている。マニュアル化された接客では、決して生まれない瞬間だ。

勧められて、思わず注文したアップルパイには熱々のフィリングが(写真:筆者撮影)

「Yes + α」の会話が生きるのは、なにも接客業に限らない。営業でも、会議でも、部下との1on1にも応用できるものだ。相手の言葉を受け止め、さらに何かを付け加える——それだけで、会話の質はガラリと変わる。そこに思いやりと、「あなたと会話を続けたい」という意志が宿るからだ。

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【働く人が「利他的」であること】

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