なぜ、そんなにも人が集まり、辞めないのか。「スタバ以上」という声も聞かれるホスピタリティの秘密をたどると、かつて俳優として活動していた大塚さんの、ユニークな人材哲学が見えてきた。
俳優時代に学んだ「顔色を窺う」技術
「顔色を窺(うかが)うな」「自分らしくあれ」——最近、こうしたメッセージをよく耳にする。空気を読みすぎることへの警鐘として、あるいは、自己肯定感を高めるためのアドバイスとして、多くの人に受け入れられている考え方だ。
しかし大塚さんは、これを真っ向から否定する。
「顔色窺わないでどうやって生きてくんだよって、僕は顔色を窺ってここまで生きてきたので」
大塚さんは猿田彦珈琲の創業以前、15歳から25歳まで、俳優として活動していた経歴を持つ。そのとき、数多くのオーディションを受けた経験があるからこそ、こう話す。
「オーディションに行った時に、顔色を窺わないで好きなお芝居して受かることなんて100%なかった。それは接客であったり、おもてなしにも共通していると思っています」
顔色を窺う=媚びることではない。相手が何を求めているかを察し、それに応え、関係性をいい方向へと持っていく技術だ。俳優時代に磨いたこの力が、猿田彦珈琲の接客哲学になっている。


















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