御徒町に「インド人宝石商」が100軒も集まる理由、世界シェア9割のダイヤ加工国でジャイナ教徒が守り抜く"信用第一のビジネス事情"

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「石は出会いなんですよ。ご縁なんです」

売りたい人と買いたい人のタイミングや価格が合うかどうか。そしてその価格や価値は、市場によってもその人によっても変わってくる。高くても買いたいという人もいれば、安くてもいまはその石の在庫があるから不要ということもある。値段がない世界だが、「そこが面白い」とラジェンドラさんは言う。

占い師が占ってもらいに来る占い師

宝石ビジネスを知り尽くしたようなラジェンドラさんだが、「本業は別」と言い切る。なんと、占い師という顔も持っているのだ。「ジョーティッシュ」というインド占星術の大家なんである。どこか神秘的な容貌の理由がわかった気がした。

「祖父が占い師だったんですよ。だから僕も興味を持ってね」

とくに専門的に習ったというわけではなく、祖父が占う姿を見ながら受け継いだのだそうだ。インドにいるときからすでに占い師としても活動をしていたという。

ジョーティッシュとは言うなれば「暗いところを明るくする、灯りで道案内する」ようなもの。星や手相から運勢を観て、人生のアドバイスをする。

「みんな悩みを持ってくるんですよ、僕の乗っている船はどうなるのかって。そこで運勢から、船の引っ張り方、動かし方、物ごとの考え方や生き方を案内する」

これがたいへんな評判だそうで、依頼がひっきりなしなのだとか。しかもお客の半分が同業者、占い師なんである。「どうやったらうまく占いができますか」なんて聞きに来るのだという。ジョーティッシュを教えてほしいという人も多い。

「でも、教えられないんですよ。たとえば日本語を話せる人が誰でも日本語を教えられるわけじゃないですよね。教える技術はまた違う」

しかもラジェンドラさんは占いの学校に通ったわけではなく、祖父から身体で学んだようなものだから、人に教えるのはなおさら難しい。ともかく「占い師が占ってもらいに来る占い師」としてもラジェンドラさんは有名なのだが、最近は日本人の悩みもずいぶん変わってきたという。

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