脱炭素から安定供給の危機へ「エネルギー大混迷」。目まぐるしく変わる世界のエネルギー情勢の今

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しかし、ほどなくして状況は大きく変わった。22年2月のロシアによるウクライナ侵攻と相前後してLNG価格が急騰。ヨーロッパを中心に、世界でエネルギー危機が発生した。24年にはアメリカと中国の間で貿易摩擦が激化した。このとき中国は、レアアース(希土類)の供給制限に踏み切った。

こうして、エネルギーや鉱物資源の確保という経済安全保障が政策の前面に押し出された。下図のように中国は重要鉱物のサプライチェーンを掌握、多くの鉱物について輸出規制を行っている。

23年2月に閣議決定された「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」では、再エネのみならず原子力発電も脱炭素効果の高い電源として「最大限活用」の方向性が示された。巨大データセンター建設が世界で相次ぐ中、24年にはそれまで減少が見込まれていた電力需要が日本でも30年代に向けて増加のトレンドにといった見通しも示された。

トランプ再選の影響

そして24年11月のアメリカ大統領選挙でトランプ氏の再選が決まると、日本のエネルギー政策にも大きな影響が及んだ。

25年2月に閣議決定された現行の第7次エネルギー基本計画では、化石燃料の天然ガスについて「カーボンニュートラル実現後も重要なエネルギー源」と明記された。「原発依存度の引き下げ」という、第6次の計画にあった文言は消滅し、代わって「最大限活用」という言葉が登場した。

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