1人当たりGDP「2位→38位への転落」はいったいなぜなのか? 政策の失敗の責任を誰も取らない国・日本

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もうひとつのポイントは賃金上昇の持続性です。確かに賃金は、ここ数年、3~5%という以前と比べると非常に高い伸びを示しています。

ただ、特に中小企業では、業績は伸びてないのに人手を確保するための防衛的な賃上げを余儀なくされているところも多く、こうした賃上げがどこまで続けられるのか、非常に心配です。

賃上げのペースが落ち、一方で円安が続いて物価上昇が続けば、実質賃金はさらに落ち込むことになります。

残念ながら、「賃金と物価の好循環」という理想の姿は、まだまだ遠いと言わざるをえません。

それでも株価が上昇する理由とは

――一方で日経平均株価は上昇しています。なぜでしょうか。

株価は基本的に「名目」の世界です。物価上昇の理由の良し悪しにかかわらず、物価上昇によって企業の売り上げや利益が増えれば、それが株価にも反映されます。

ただし、それは言ってしまえば「見かけ上」のことなのです。

昔は株価が上がれば素直に「日本経済は元気だ」と思えたのですが……。

もちろん株や不動産を持っている人たちにとって、物価や株価・不動産価格の上昇は喜ばしいことですが、日本の大多数の人々は株や不動産をそんなに持っていませんよね。

「名目」の世界だけが膨らみ、実質賃金は伸びず、税や社会保障費の負担だけが増えていく。「一億総中流社会」は消滅し、今は資産を持つ層と持たない層の格差が確実に広がっています。

――こうした状況の中、「新しい政権への期待」として、昨年10月に発足した高市政権の高支持率が続いています。次回は、日本に焦点を当ててうかがっていきたいと思います。

(第4回に続く。構成/福島結実子)
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武居 秀典 国際情勢アナリスト

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たけい・ひでのり / Takei Hidenori

一橋大学卒業。三菱商事で主に調査・分析業務に従事。調査部長や北京現地法人社長を歴任。
ロンドン、ニューヨーク、北京などに計14年間駐在。
2023年同社退職後、企業向けアドバイザーや研修講師などを務める。

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