1人当たりGDP「2位→38位への転落」はいったいなぜなのか? 政策の失敗の責任を誰も取らない国・日本

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――私は海外旅行が好きなので「円安」が悩みのタネです。この傾向はずっと続くのでしょうか。

「円安が進むと海外旅行に行きづらくなる」。そんなふうに、「世界で起こっていること」を「自分の生活に落とし込む」発想はとても重要ですね。

為替レートは投機的な動きも大きいので、先を読むのはとても難しく、一時的には、円高に振れることもあるかもしれません。

ただ、「為替レートは国力を反映する」との基本に立ち返ると、中長期的には円安トレンドだと見ています。

そしてその円安によって、海外からの輸入品の国内価格が以前よりも上がり、その影響が日本経済全体に及んで物価高の大きな要因になっているわけです。

今起きているのは好ましくない物価上昇

――かつて日本は「デフレ脱却」を目指していたはずなのに、昨今ようやく物価が上がったら、今度は物価上昇が問題視されていますよね。

たしかに日本ではずっと「デフレ脱却」が叫ばれていました。

その前提として「デフレ脱却=需要が伸びて企業の業績が改善し、賃金が上がることで物価が上がる」、すなわち、「賃金と物価の好循環」という目標がありました。

ここ数年、賃上げが進み、物価も上昇しているので、一見、この目標が達成されたようにもみえますが、実状は大きく異なります。

まず、物価上昇には、もちろん、賃上げ分も反映されていますが、その他に「円安」が大きく影響しています。

円の価値が下がることによって、輸入するモノの価格が上がり、それが広範囲にわたる物価上昇につながっています。これは、「好ましくない物価上昇」です。

結果として、賃金が上がっていても、物価上昇に追いついていません。

実際、名目賃金から物価上昇分を差し引いた実質賃金は2022年から3年連続でマイナス、25年も11月まで11カ月連続のマイナスです。

なおかつ税金や社会保障費は増えています。みかけの賃金は上がっても、家計は苦しくなるばかりです。

これでは、GDPの50%超を占め、経済のエンジンたる個人消費も伸びません。

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