――日本では民主主義が成熟するどころか後退しているということですか。
そもそも私たちは、民主主義についてちゃんと学ばないまま大人になりますよね。
何となくの用語理解として「民主主義=多数決」くらいにしか捉えていない人が多いのではないでしょうか。「選挙に勝てば何をやってもよい」という誤解も強くあります。
主権者である国民が、為政者を監視して、間違いがあれば正していく。そして、国や国民の生活をよりよい方向にもっていく。
本当は、そういう「国民の主体性」まで含んでこその民主主義なのですが、この感覚が日本では低すぎるように思えます。
それには、先にお話しした根強いお上意識に加えて、いくつかの要因があると思いますが、そのひとつは、自分たちで民主主義を勝ち取った経験がないからでしょう。
戦争に負けて統治されている間にアメリカから与えられたものを、何となく運用してきた。
その結果のひとつが、1955年以降、ほんの一時期を除いて、一貫して自民党が政権を握っているという現状です。
自民党一党支配はなぜ続く?
――自民党一強は、やはり問題なのでしょうか。
政策が成果を出していれば話は別ですが、この30年間、日本は先進国の中で唯一、賃金が上がっていません。
「国民の豊かさ」の指標である1人当たりGDPは、なんと2位から38位にまで転落しています。
これは政治の重大な責任でしょう。それなのに日本では、何度選挙があっても、政権与党は基本的に自民党に据え置きです。
国のトップである首相だけが交代して新政権が発足するたびに、国民は「今度こそ」と期待をかけていますが、土台は変わらず自民党で、大きな変化はありません。
ひとつの政党がここまで政権を握り続けているのは、世界の民主主義国の中では非常に稀です。


















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