5年ぶりにREITが上場 不動産の復活は本物

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 SMBC日興証券の鳥井裕史シニアアナリストは「上場リートの平均配当利回りは5.7%で、10年物日本国債金利約0.8%と比べても利回りはそうとう魅力的。日本銀行によるJリート買い入れもインパクトが大きい」と指摘する。

鳥井氏によると、Jリートによる11年の物件取得額は7109億円。12年は日本プライムリアルティ投資法人が東京・大手町の旧富士銀行跡の底地を360億円で取得するなど、年間1兆円を超えた05~07年と比べても物件取得ペースは悪くない。Jリートの物件取得は市場にとって強力な追い風になる。

賃料上昇は12年後半

ただ、本格回復というには課題も残る。カギを握るのは、オフィスの賃料や空室率の動向だ。

都心でオフィスが供給過剰となる、いわゆる「2012年問題」を迎えつつある中、一時的な需給バランスの悪化は避けられない。ジャパンリアルエステイト投資法人の運用会社ジャパンリアルエステイトアセットマネジメントの片山浩社長は「賃貸オフィス市況は最悪期を脱したが、マーケット賃料が増加に転じるのは12年後半」と話す。

4月に新規上場したケネディクス・レジデンシャル投資法人の投資口価格は18万1000円(5月23日終値)で、上場来、公募価格の19万円を下回ったまま。相次ぐJリートの新規上場は不動産市場反転のきっかけとなるのだろうか。

(撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2012年6月2日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

山田 徹也 東洋経済 記者

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やまだ てつや / Tetsuya Yamada

島根県出身。毎日新聞社長野支局を経て、東洋経済新報社入社。『金融ビジネス』『週刊東洋経済』各編集部などを経て、2019年1月から東洋経済オンライン編集部に所属。趣味はテニスとスキー、ミステリー、韓国映画、将棋。

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