価格高騰の金で「買い取り」トラブル 大手チェーン店に「してやられた?」 基準不明確で不安の声も
「業者が家に来ると断りにくいと感じる人もいます。押しが強い業者もいて、『これは二束三文ですが、その金額なら現金になりますよ』と言われ、本当は売りたくなかったものまで売ってしまうというケースもあります」(同)
よく考えて行動を
ただ、出張買い取りには「クーリングオフ制度」が原則として適用される。一方で、店舗での買い取りには適用されない。なぜか?
「それは『じっくり考える時間がある』とされるからです。出張買い取りのように判断を迫られる状況ではなく、自分の意思で契約に至っているとみなされます」(同)
出張買い取りは法律上「訪問購入」として、特定商取引法の対象になる。かつては強引な営業行為が問題となったという。
いわゆる「押し買い」と呼ばれるものだ。出張買い取りでトラブルになった場合は、弁護士がクーリングオフ通知を送れば、契約を解除できる可能性があるという。
一方、店舗での買い取りの場合は、消費者が自ら判断して行動しているため、クーリングオフは適用されない。
「同じ理由で、ネットオークションやフリマアプリなどを利用して出品する場合にも、クーリングオフは適用されません。法律上、十分に考える猶予がある行動かどうかが、クーリングオフの適用の分かれ目になっているのです」(同)
だからこそ、事前にインターネットや店頭で買い取り価格を比較したりしてよく考えて行動することが消費者にとって最大の“防衛策”だ。
大和弁護士は「被害を増やさないためにも、消費者自身が賢くなることが求められています。
安く買いたたかれて後悔するようなことがないよう、仕組みをよく理解し、自分の意思で納得できる取引を行うことが大切です」と強調する。
「売却する場合は、相場を把握し、じっくり考えたうえで判断することが重要です。
高いお金を払って購入した大切な品物を、二束三文で手放してしまうのはつらい経験です。『知識を持って賢く売る』という姿勢が、今後ますます重要になるでしょう」(同)
(AERA編集部・古寺雄大)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら

















